醸成を重ね続ける両首脳
プーチン大統領とエルドアン大統領が直接会うのはカザフスタンのアスタナで2022年10月13日にアジア相互協力信頼醸成措置会議の場で会談して以来、約1年ぶり。なお、エルドアン大統領がロシアを訪問するのは2022年8月5日以来、1年以上ぶり。前回もソチでプーチン大統領と会談した。
プーチン大統領は会談の冒頭、次のように述べた。
「我われはずいぶん前に会談について合意した。関係発展のスピードは維持されており、取引高もプラスの傾向にある」
またプーチン大統領は「穀物合意」について、ロシア政府は交渉の扉を開いていると述べた。
エルドアン大統領は、ロシアがトルコで発生した森林火災の消火活動を支援したことに対してプーチン大統領に謝意を表した。ロシアは消火活動のためにBe-200水陸両用機2機を派遣した。
またエルドアン大統領は、トルコとロシアの中央銀行総裁もソチに到着したことを指摘した。
「(両国の中央銀行総裁は)ここソチで個別の会談を行う。両国の貿易関係において、これは自国通貨での取引にとって重要な一歩となるだろう」
両首脳は、原子力分野における協力の重要性を指摘した。プーチン大統領は、トルコ初となるアックユ原子力発電所の露土共同プロジェクトは計画通りに進んでおり、1号機は2024年中に稼働する予定だと述べた。エルドアン大統領は、双方はトルコで2番目の原発をスィノプに建設することについて合意に達することができると指摘した。
プーチン、エルドアン両大統領の会談結果
プーチン大統領はロシアとトルコの二国間関係は全ての方向で拡大しており、今日の会談も成功裡に終了したとする声明を表した。
プーチン大統領は、トルコとロシアの間の決済では国家通貨を使用する傾向が現れており、ドルやユーロによる決済は減少していると語っている。
プーチン大統領は、ロシアは今までも、この先も信用のあつい、責任あるガス供給国であり続け、今後もトルコ及び第三国へのガス供給を保証する構えだと語った。
プーチン大統領は、エルドアン大統領との会談ではウクライナ情勢および穀物取引に大きな注意が払われたと指摘した。プーチン大統領によれば、西側諸国は、穀物取引に対するロシアの義務の履行を妨害し続けている。プーチン大統領はまた、ロシア連邦が穀物回廊の安全を確保している一方で、相手側は人道的回廊をテロ攻撃に利用していたことを想起した。
「西側諸国は穀物取引の人道的性格のことで我々を欺いた」
プーチン大統領は、ロシアは穀物取引を再開する用意があり、合意内容が全てが履行され次第、直ちにこれを再開すると述べた。