同紙によると、演習名は「不動の守護者(Steadfast Defender)」で、2024年春にドイツやポーランド、バルト三国で行われる。「加盟国の1つにロシアが侵攻した場合の反撃」を想定しているという。参加兵力は約4万1000人のほか、軍用艦50隻。各国の戦闘機なども集結し、500~700回の空戦訓練が予定されている。
演習にはNATO未加盟のスウェーデンも参加するとみられる。スウェーデンは昨年、フィンランドとともに加盟申請したが、トルコとハンガリーの批准手続きが終わっておらず、加盟が先延ばしとなっている。
NATOのこうした動きには、地理的に遠く離れた日本も組み込まれている。6月の航空演習には自衛隊の輸送機も参加しているほか、7月には岸田首相がNATOサミットに出席し、従来より協力の枠組みを拡大させた「日・NATO国別適合パートナーシップ計画」に署名している。
NATOの東京事務所開設は、フランスの反対もあり具体化が進んでいないものの、東アジアでもNATOのプレゼンスが高まりつつある。米英豪でつくる「オーカス(AUKUS)」に日本や韓国などの米国の同盟国を加えた軍事協力の枠組みは拡大している。対中国を念頭としたアジア版NATOの輪郭はすでに見え始めているのだ。
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