露科学アカデミーの中国現代アジア研究所・朝鮮半島センターのコンスタンティン・アスモロフ上級研究員は、金委員長がコロナ禍明けの初の外遊先にロシアを選んだことは、目に見える形でのデモンストレーションとなったと指摘する。また、東アジアにおける地政学的な変化が露朝の接近を促したとして、次のように述べている。
「世界規模の混乱で、以前は統一されていた空間が分裂してブロック化している。昨今の日米韓キャンプ・デービッド会談で採択された文書をよく見ると、ワシントン・東京・ソウルのブロックはより深く前進している。
ニューヨーク・タイムズなど西側メディアは露朝会談に関するヒステリックな観測を出していたが、実際はこれとは別の日時、別の場所、別のテーマで行われた。米側の目的は、モスクワと平壌の軍事協力という憶測を利用して、南の日米韓三角ブロック形成から国際世論の注意をそらすことだ」
アスモロフ氏は、米国が露朝の接近を脅威とは思っていないと続ける。だが、米国はアジア版NATO形成を正当化するために、露朝の接近が破滅をもたらすと不安を煽り、脅威を感じているふりをしていると主張する。
「今、世界的な混乱を背景に2つの三角形が形成されつつある。1つはワシントン・東京・ソウル、もう1つはモスクワ・北京・平壌だ」
露朝首脳会談は和やかな雰囲気のなかで行われた。両首脳は会談に先立ち、ボストチヌイ宇宙基地で宇宙ロケット「ソユーズ」の発射施設も視察した。北朝鮮国営メディアは、会談で金委員長はプーチン大統領に対し、「都合のいいときに北朝鮮を訪問するよう丁寧に招待した」と伝えている。プーチン大統領も快諾したという。
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