スプートニク:カミラ選手、私たちとしてはこの先もずっと、あなたのその芸術的なスケートを追い続けたいと思うんですが、ある時、女優業もトライしたいと言っていましたね。どうして女優なのでしょう? 学校卒業後は本当に演劇大学に進学するつもりですか?
ワリエワ選手:17歳の私の頭の中には、いつもたくさんのアイデアがあるんです! なぜ女優かというと、それは、私たち、氷上のフィギュアスケーターというのは、つまりは俳優なんです。舞台の上と変わりません。思い描いたイメージにふさわしいムードや感情を表現するので、実際の演劇にとても近いんです。でも、演劇の俳優の表現は話し方にも関係してくるし、それを発展させなければならないので、より複雑です。
スプートニク:でも、あなたには女優になるために大事な素質は他にも揃っていますよ。例えば、小さい頃のバレエを習っていたことだって、役に立つかもしれないし、もし、スポーツが一時中断となってしまった場合、バレエもそんな自分の夢を叶える一助になるでしょうか?
ワリエワ選手:うーん、まぁ、とにかく、そういう夢も持ってるという感じかな。
スプートニク:アリョーナ・コストルナヤ選手はトゥトベリーゼ・チームからは抜けましたけど、あなたたちは友達のままですね。昨日、プレスセンターで、アリョーナのペアのテストスケートのデビューをあなたがモニター越しに食い入るように見守っていたのを見て、仲がいいのがよくわかりました。アリョーナたちが夫婦で組んだペアをどう思いますか? 応援している?
ワリエワ選手:ロシア代表チームは、シングルでもペアでもみんなとても仲良しなんです。アリョーナたちのペアは私たち全員の愛よ! みんな、そろって彼女たちを応援してるし、気にかけています。チームのみんなに成功してほしいから! アリョーナたちだけじゃない。特定の誰かだけに頑張れっていうんじゃないんです。だって、男子もすごく応援しているんですもの。
スプートニク:それにしてもアリョーナはすごく大胆な行為に出ましたね。だって、ペアは全く分野が違うし、ペアならではの難しさがあるでしょう。アリョーナからアドバイスをちょうだい、っていわれることはありませんか?
ワリエワ選手:アリョーナ選手はもう十分な大人だし、アスリートとしての経験も豊富です。 だから、アドバイスを求めるのはむしろ私のほう。たとえば、リーザ(エリザベータ)・トゥクタミシェワには、プログラムを表現する上でどう向き合うかなどを尋ねたりします。トゥクタミシェワのことはものすごく尊敬しています。だってあれだけ長いスポーツキャリアよ! だから私からアドバイスすることはほとんどなくて、質問するほうが多いです。
スプートニク:エテリ・トゥトベリーゼ・コーチはある時、あなたのジュニア時代のプログラムの『玉乗りの少女』が一番好きだとおっしゃていました。そう思うのはコーチだけではありません。あなたのお気に入りのプログラムは何ですか、それとも、これこそ! と思うお気に入りが出てくるのは、まだこれから先でしょうか?
ワリエワ選手:どのプログラムもそれぞれの魅力があると思います。『玉乗りの少女』では、観戦者の前に立っているのはほっそりとした、軽やかな体つきの少女です。この子は氷上であらゆることを精一杯しようとしていて、同時に感情を発散しています。玉乗りの少女には独自の魅力があるんですけど、でも、これは他のプログラムだって同じなんです。だから、どれか一つを選ぶつもりはありませんが、オリンピックのショートプログラムには特別な思いがあります。どうしてかというと、自分の個人的な瞬間や経験と重ね合わせるものがあると、そのプログラムは特別なものになるからです。とはいっても、自分のプログラムはみんな気に入っているんです。