西側諸国によるウクライナへの兵器供与

西側高官「渡せるものは全て渡した」 自国を犠牲にウクライナ支援の継続は不可=米誌

西側諸国は自国の防衛能力維持のために必要な最低限の兵器を除き、全ての備蓄をウクライナに供与したため、これ以上自国を犠牲にしてまで軍事支援を続けることはできない。米誌ポリティコが匿名の欧州政府高官の話として伝えた。
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「我々は自国の安全保障に脅威を及ぼさない範囲で、渡せるものは全て渡した。これ以上自国の備蓄からウクライナへ兵器を送り続けることはできない」

欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国はこれまで、砲弾や榴弾砲、戦車など様々な軍事供与をウクライナに対し行ってきた。ポーランドなど旧ワルシャワ条約機構諸国は、ソ連製の古い備蓄をウクライナに供与し、空いた穴を最新の西側兵器の購入で埋めるなどしてきた。今年1月にはドイツと英国がそれぞれ、主力戦車のレオパルト2チャレンジャー2の供与を決定。戦闘機F16の供与準備も進んでいるとされる。
西側諸国によるウクライナへの兵器供与
ウクライナ、米支援除外で国家予算の3分の2相当失う
これまで「ウクライナが必要とするだけ支援を続ける」としてきた西側諸国だが、このごろその支援に陰りが見え始めている。これまで1130億ドル(約17兆円)を投じてウクライナ支援の先頭を走っていた米国では、議会での与野党対立によってウクライナへの追加支援予算を除外した「つなぎ予算」が成立。今後の兵器供与が見通せない状況となっている。
また、旧ソ連製であるもののNATOで初めて戦闘機をウクライナに供与したスロバキアでは、ウクライナ支援停止を訴える野党が総選挙で第1党に。また、ハンガリーやポーランドなどウクライナと国境を接する欧州5カ国は、ウクライナとの穀物貿易摩擦で国民の支援への反感が高まっている。
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