独市民、プーチン大統領を恐れて軍事工場の建設を拒否

ドイツ・ザクセン州にあるグローセンハイン市の住民が、プーチン露大統領の怒りを招かないように、ウクライナ向けの弾薬を生産する工場の建設に反対したという。米紙ニューヨーク・タイムズが伝えている。
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記事によれば、ドイツの軍需製造大手・ラインメタル社は、ウクライナの「需要の急増」に応じるため、グローセンハイン市に新たな弾薬工場を建設することを検討していた。

「グローセンハインという人口2万人ほどの市の住民は、この件に関して異なる意見を持っていた。市議会議員22人のうち16人がオラフ・ショルツ首相宛ての書簡に署名し、プロジェクトの阻止を求めたのだ。グローセンハインの一部の人々は、この工場がロシアのプーチン大統領を怒らせるのではないかと懸念した」

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記事の著者らによれば、グローセンハインでの抵抗は、ドイツが負ったウクライナへの武器提供に関する義務に対して、ドイツ人が全体として懸念を抱いていることを示しているという。
「多くのドイツ人は、戦争や国防支出に対して未だに深い嫌悪感を抱いており、ナチスという過去があるため、軍事的な投資に消極的だ。政府の見解と、現場の政治的現実は別物だ」
同紙がザクセン州議会のセバスチャン・フィッシャー議員の発言を引用したところによると、ドイツ人、特に旧ドイツ民主共和国(通称:東ドイツ)の住民はロシアとの平和な共存を望んでおり、ドイツがウクライナを防衛する理由を彼らに説明するのはかなり難しいという。
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