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吐息や数滴の血でがん判明 露研究者、新たな診断手法を開発

ロシアのトムスク国立大学の研究者らは、吐息や数滴の血液で痛みを伴わずに患者の健康状態を迅速に診断する方法を開発した。わずか数分間でがんを含む危険な病の兆しを検出することができるという。
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正しく迅速な診断ができれば、心臓発作や脳卒中といった一分一秒を争う重大な病気であっても患者の命を救うチャンスが高まる。がんなどの腫瘍では、初期段階で見逃さないことが重要だ。
ロシアの研究者たちは、それぞれがいずれかの病気の特定の側面を示す多面的な分子化合物をつくることに成功した。その結果、多面的なマーカーの精度は極めて高いレベルに達し、病気の存在だけでなく、その病気の進行度も示すことができるようになった。
研究者らは、この多面的なマーカーを用いてニューラルネットワークをトレーニングし、病気とその進行度を判断することなどに成功した。その後、この新たな手法は、患者から採取され検体(体液と組織)でテストされた。テストではラマン顕微鏡、テラヘルツ分光計、ガス分析装置が使用された。研究者らによると、将来的には分析を行う手順がすべて完全自動化され、診断プロセスがさらに高速化されるという。

数滴の血液でがんを見つける

がんかどうかを診断するためには、これまで患者にさまざまな検査をたくさん受けてもらわなければならなかった。しかし、ロシアの研究者たちが提案する新たな手法は、ラマン顕微鏡のガラスに載せた数滴の血液からさまざまな分子化合物を検出することを可能としている。ニューラルネットワークは、それらの中から特定の病気に関する情報をもっている分子化合物を即座に選択する。したがって、研究者たちは実験の過程で、数滴の血液から悪性黒色腫や神経膠腫などの複雑な形態のがんの初期段階での発症さえも検出することに成功した。研究者らは、さまざまながんの血液の変化に関するすべてのデータを電子データベース化し、分析中に人工知能(AI)がアクセスできるようにする。この新たな手法は動物でのパイロットテストの段階を経て、現在、人間の生体材料での研究に移行している。
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吐く息で診断

血液で洗浄された肺で起こるガス交換によって、病気の目印が血液から肺を満たす空気に入り込むため、空気の組成によって分子プロファイルを取得することが可能。空気を吐き出すだけで、ガス分析装置がそこに含まれる分子プロファイルを捕捉して分類する。研究者たちはこのようなかたちで、新型コロナウイルス、結核、心臓病を検出することができた。
また研究者たちは新たな手法について、呼気分析を用いることで精神疾患も診断できると確信している。うつ病、統合失調症、双極性障害の患者から呼気サンプルを収集し、その結果をコントロール群と比較、これらの各疾患が持っている化学的特性を明らかにした。精神的に健康な人からは、これらの化学的特徴は一切観察されなかったという。研究者らは自分たちの手法について、観察する医師の主観的な考えのみに頼ることが習慣となっている精神科治療の有効性をモニタリングするための、最初の客観的なツールになる可能性があると考えている。
これより先、米国の研究チームが、がんや感染症を治療できる「超リンパ球」の改良に成功したと報じられた。
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