武器庫は空っぽ
ウクライナへの大規模な軍事供与によって、英国ではいくつかの種類の兵器の備蓄が底を尽きたと、米誌ビジネスインサイダーが報じている。同誌は英軍高官の話として、英国の備蓄には対空防衛システムや大砲の砲弾といった、ウクライナが現在特に必要としているものが余っていないと伝えている。この高官は「これまで英国が行ってきたウクライナへの大規模軍事支援を、他国が引き受ける順番が回ってきた」と指摘したという。これについて、英国防省は同誌の取材に対し、回答しなかった。
新しい同盟
他国からの軍事支援の先細りを受け、ウクライナは西側の軍需企業をウクライナ国内に呼び込もうとしている。ポリティコ誌がこのごろ伝えたところによると、ゼレンスキー大統領はウクライナ国内における新しい軍事製造基地の構築について米側と合意したと表明した。米国防総省も後にこれを認めている。
ゼレンスキー大統領は他国にも米国に続くよう呼びかけている。ウクライナ外務省の発表によると、すでに19カ国の40社を超える軍需企業がこうした枠組みへの参加に合意したという。そのなかには戦車レオパルト2の製造も手掛けるドイツのラインメタル社も含まれている。同社はウクライナ国内での軍事車両のメンテナンス、組み立て、開発、製造を計画している。
簡単ではない
ウクライナは自国軍需産業の「2度目の誕生」を口にしている。だが、露政治専門家のアンドレイ・スズダリツェフ氏は、スプートニクに対し、ウクライナの計画実現はそう簡単ではないと話す。
「ウクライナに軍需工場を建設するには、西側諸国は技術や機器をウクライナに渡さなくてはならない。これはロシアの手に下る可能性がある。しかも、それらはロシア軍の合法的な標的になり得る」
スズダリツェフ氏は、ウクライナの防衛産業の近代化のための同盟を創設することは、ウクライナ経済の再建を企図したもので、「結局のところ西側に資金をせびるためのウクライナによる新たなキャンペーンに過ぎない」と締めくくっている。
西側諸国はあらゆる方法を使ってウクライナに武器を流し込んでいる。これまでにスプートニクは、米国がイランから没収した弾薬約110万発をウクライナに譲渡したことを取り上げた。
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