「ガザ地区での今日の紛争激化に関する西側諸国の声明はすべて、ハマスの行動を非難し、イスラエルの自衛権を支持することに集約される。イスラエルはハマスの攻撃に対し、大規模な行動をとるだろう。これは長期的な軍事対決になる。西側諸国は、パレスチナ自治区でのイスラエル軍による武力の行使を合法的なものだと考え、ガザとヨルダン川西岸でのイスラエルの行動に対する明確な支持を表明している」
サムール教授は、ロシアとウクライナの紛争で西側諸国が、ウクライナにあらゆる種類の軍事供与を行い、紛争を長引かせようとしていると指摘する。西側諸国は「和平を望む」と口にする一方で、同時に戦争を継続させる行動をとっている。
「ラブロフ外相のいう根本的解決とは、問題の平和的かつ持続可能な解決を意味する。それに対し西側諸国は、イスラエルを支援し、アラブ諸国にアブラハム合意に署名させ、ハマス排除を実現すれば問題は解決すると考えている。しかし、現在の攻撃は、そのような西側の理屈が現実離れしていることを示している。その意味で、ロシアは包括的なアプローチで問題の根源をみているのに対し、西側諸国はイスラエル側の視点だけで解決策を探しているといえる」
イスラエル・パレスチナ紛争の激化
10月7日、ハマスはガザ地区からイスラエル南部と中部に向けてミサイル攻撃を行い、一部の地上部隊がイスラエル側に越境攻撃した。イスラエル国防軍は大規模な攻撃を受け、報復作戦の開始を発表。第四次中東戦争以来50年ぶりとなる正式な「戦争状態」への移行を宣言した。
関連ニュース