党は10日、持ち回り役員会で除名処分の方針を決定した。だが藤田幹事長は記者会見で、処分の効力を発する前に、鈴木氏が「党に様々な迷惑をかけた」として自ら離党届を提出したと説明した。
「鈴木議員が個人の信念に基づいてロシアに行って交渉をしたり発言することは、その主張に賛成や反対はあれど何ら否定されるものではない。出回っている動画の内容については私は反対の立場で党も違う立場をとっている。一個人の政治家としての信念や行動力は否定されないが、その信念が故に(編注:党の)ガバナンスを逸脱するのであれば、党を離れてもらうしかないというのが党としての結論だ」
離党届を受理した上での処分の可能性があるかと問われると、藤田幹事長は、鈴木氏の「これまでの経歴や功績、党への貢献を踏まえて問題にあたってきた」としたうえで、「本人の離党の意志を受け入れて党の結論とする」と述べた。鈴木氏はこれまでにロシアでの発言を理由に除名された場合は「法律の専門家に相談する」と法的措置も辞さない姿勢をとっていた。党は最終的に離党届を受理するのみにとどめ、実際の除名手続きや処分の理由の判断を避け穏便な決着を図った形となった。
一方で鈴木氏も同日、会見を開いた。ANNなどによると、「ロシア外交で党との価値観の相当な違い、開きが明らかになった」として、離党を判断したと説明した。また、議員辞職はせず、無所属で活動していく方針も示した。
鈴木氏は今月2日~5日、ロシアを訪問し露外務省幹部らと会談した。だが、党内規定で事前の提出が定められている海外渡航届の提出が出国後に遅れたほか、スプートニクの取材に対し「ロシアの勝利、ロシアがウクライナに対して屈することがない。ここは私は何の懸念もなく100%確信を持ってですね、私はロシアの未来、信じていますし、理解をしております」と述べたことが党の見解と異なるとして問題視されていた。
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