金正恩氏との会談
「9月のロシアでのプーチン大統領との会談の後、2国間の真の友情が強固になっています。ロシア側も露朝関係に大きな注意を払っています。こうしたなかで同志委員長とお会いできるのは喜ばしいことです」
ラブロフ外相は、すでに9月末には目標達成に向けた両政府の協議がモスクワで行われたと説明。さらに、11月には平壌で貿易・経済・科学技術協力の具体的な協議が行われるとした。
また、北朝鮮国営メディアの朝鮮中央通信も金委員長とラブロフ外相の会談について、「敬愛する金正恩総書記は、ラブロフ外相とうれしく対面して外相の訪朝を熱烈に歓迎した」とトップニュースで伝えた。
同通信は、両国が「戦略的信頼関係」に基づいて地域情勢、国際情勢に対処し、「共同の努力」であらゆる分野での連携を拡大していくと強調。さらに、重要な問題について「虚心坦懐の意見が交換され、見解が一致した」と伝えている。
外相会談で連携強調
ラブロフ外相は金委員長との会談に先立ち、崔善姫(チェ・ソンヒ)外相とも会談した。ここでは「プーチン大統領と金正恩委員長による9月13日のボストチヌイ宇宙基地での歴史的な会談を経て、露朝関係は質的に新しく、戦略的な段階にきている」と述べている。
11月に予定されている露朝政府間協議で、エネルギー資源の供給や地質調査などを含む経済貿易、科学技術分野での協力に向けた議論を進めることで一致した。
また、露朝両国が米国、日本、韓国による軍事的活性化や、米国が原子力分野を含む戦略的インフラを地域に移動させる方針に対し、深刻な懸念を持っているとの認識を共有。両国は「情勢の先鋭化を許さない方針をとる」としたほか、ロシアとしては朝鮮半島の安全保障をめぐる前提条件なしの定期的な交渉プロセスの醸成を支持するとした。
2つの目的
露科学アカデミー・中国現代アジア研究所韓国研究センターのエフゲニー・キム主任研究員は、スプートニクラジオの番組に出演したなかで、今回のラブロフ外相の訪朝には2つの目的があると指摘した。
「ラブロフ外相の訪朝には2つのことに関連している。将来のプーチン大統領訪朝に向けた準備と、外交ルートでの様々なやり取りだ。こうした訪問時には首脳会談で合意された内容の、実現に向けた詳細について話し合われる」
また、金委員長の訪露時にプーチン大統領は「ロシアは国際的責務を遵守しながら、その枠内で北朝鮮との軍事技術分野での協力可能性がある」と述べている。韓国はロシアと北朝鮮が軍事協力をすれば、両国に対し制裁を発動すると脅しているが、キム氏はこれにはあまり効力はないと分析する。
「彼らが発動したい制裁は、すでに発動しきっている。露朝が恐れるものは何もない。欧州や米国がすでにより強い制裁を行っており、韓国がこれ以上のものを考え出すのは難しいからだ。しかも、韓国はロシアとの経済関係は維持しようとしている。最近私が韓国を訪問したときには、ビジネス界からはロシアとの協力の必要性を訴える声もあがった」
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