北海道新聞によると、南クリル諸島周辺海域でのタコ空釣り縄漁の安全操業は、露日協定に基づき例年10月16日に解禁されていた。しかし、今年の操業については露日間の協議が開かれていないため、関係する漁業者は11月1日に解禁される根室半島沿岸の漁に切り替えざるを得ないという。
同紙の取材に対し、根室のタコ漁師は「今年も出たいけれど、国同士の交渉だから仕方がない」と肩を落とした。根室市内のタコ漁の関係者からは「日ロ関係の悪化で出漁できないなら、しっかり補償してほしい」との声が上がっているという。また、ある漁業者は「日ロ関係が改善しない限り再開は見通せないのでは」と指摘。「出漁を諦めている漁業者は多い」と明らかにした。
南クリル諸島海域での操業について、日本政府は「北方領土での日本の『特別な地位』を示す」ものだと述べてきた。一方、記事の筆者は、こうした状況が続けば領土返還運動にも影響しかねないと指摘している。
これより前、スプートニクはNHKの報道を元に、例年9月中旬に露日の協定をもとに解禁されるクナシル島(日本名:国後島)近海でのホッケ漁の「安全操業」ついても、政府間協議が始められない事態となっていると報じた。
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