不屈の龍
レゾリュートドラゴンは直訳すれば「不屈の龍」を意味する。防衛省などによると、陸自と米海兵隊の共同作戦能力を向上が目的としており、2021年の第1回から毎年行われている。
今年は日米あわせて約6400人が参加する。実施範囲は広く、北海道の計根別(けねべつ)飛行場、矢臼別(やうすべつ)演習場のほか、熊本県の健軍駐屯地、大分県の日出生台(ひじゅうだい)演習場、鹿児島県の霧島演習場、沖縄県の各自衛隊施設、在日米軍基地などとなっている。
訓練内容もさまざまで、離島防衛を想定した訓練から、ウクライナへの供与で有名となった多連装ロケット砲「ハイマース」の実弾演習、米製輸送機オスプレイによるけが人の輸送訓練なども含まれている。
地元では反対も
演習実施場所の周辺住民からは反対の声も上がり、一部では抗議デモも行われている。特に、死亡事故や重大トラブルが相次ぐオスプレイへの懸念は大きい。
19日にはレゾリュートドラゴンの一環で、陸自所属のオスプレイが沖縄県内における初めての飛行を行い、新石垣空港に着陸した。沖縄県は、防衛省に新石垣空港の使用自粛を要請していたが、飛行は強行された。玉城デニー知事はオスプレイの飛来に「県の自粛要請を顧みることなく着陸したのは残念」とコメントしている。
さらに同日、鹿児島県の徳之島では米軍所属のオスプレイ1機が緊急着陸する事案が発生。演習に参加していた期待かどうかは不明だが、「訓練飛行中に警告表示が出たため着陸した」としている。幸いなことにけが人や民間機への影響はなかったものの、オスプレイの安全性への懸念や米軍の運用のあり方に対する不信感を増幅させる形となった。
自衛隊の説明は
山根総監は地元の反対の声があるとの指摘には、丁寧な説明を心がけると述べるにとどめた。
「安保環境を考えると、日米連携を高め、強固なメッセージを出していかないといけないのも事実。訓練が国民の皆様の安全・安心につながる。皆様の心配、懸念を少しでも解消できるよう引き続き丁寧な説明を努めたい」
ビアマン司令官も「日米同盟の義務を果たすための即応性を確保する上で訓練は重要。日米同盟をより強固にするのが必要不可欠だ」と述べた。
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