CTBTは宇宙空間,大気圏内水中,地下を含むあらゆる核兵器の実験を禁止する条約で、1996年に署名された。ロシアは2000年に批准したが、米国を含む核兵器国や高い原子力技術を持つ44カ国の発効要件国の一部が批准しておらず、未発効となっている。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はこれまでに、条約を批准しない米国を引き合いに出し、ロシアのCTBT批准取り消しの可能性に言及していた。
一方、ロシアは批准を撤回しても署名国ではあり続ける。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官も「批准の撤回が直ちに核実験を行う意志を示すものではない」としている。
CTBTの批准撤回法案は18日、露下院で成立していた。奇しくもこの日、米国はネバダ核実験場で低出力核兵器の探知を目的とした、化学爆発を伴う実験を行った。今回のテストは「核実験」ではないものの、核保有国間の対立が深まるなか、更なる緊張激化や不信感の増幅に繋がるリスクが懸念されている。
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