米空軍はトラブルの詳細を明らかにしていないが、この「予期せぬ出来事」の原因を調べるための分析チームを立ち上げたと説明した。また、実験は失敗したものの、ICBMの即応態勢を維持するために必要なデータが得られたとしている。
米国防総省は、ICBMの発射実験は米国の核戦力の準備態勢をデモンストレーションするために行ったとしている。一方、「実験は定期的なもので、数年前から実施が決まっていた」とも指摘した。
今回の実験は予め計画されていたものであるとはいえ、そのタイミングはロシアが戦略抑止兵器の演習を行ったり、包括的核実験禁止条約の批准撤回を決めた直後だった。露軍事専門家のアレクセイ・レオンコフ氏は「米国にとって実験は、核保有国としてのステータスを維持するために必要不可欠だった」との見方を示している。
「米国の動きには、ロシアの実験に対する『対抗』という側面もある。ロシアはこの頃、潜水艦発射型ミサイル・シネバ、地上発射システム・ヤルス、戦略爆撃機Tu95の巡航ミサイルなどの実験をしたばかりだ。
つまり、米国は自らの核戦力に問題はないと見せつける必要性にかられているのだ。だが、彼らの発射する弾道ミサイルは旧型で、運用期限を過ぎたものばかりだ」
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