1960年に改定された日米安全保障条約は、日米同盟の法的根拠となっており、在日米軍の駐留を規定している。
今年末、日本は自衛隊部隊間の連携を強化するため、「統合作戦司令部」を設置する。しかし、日米連携の問題はこれでは解決しない。「中国からの脅威」の増大に対応するため、台湾有事のような危機が発生した際には、両国部隊のより強固な協力と計画を立てる必要に迫られると、同紙は指摘する。
現状では日本側は、場合によっては在日米軍司令部よりも、ハワイにある米軍司令部と多くのやりとりをしなければならない。特に、2011年の東日本大震災時に日米が行った共同救助活動では、このことで一定の困難が生じたという。
古い行動計画は現在の状況では機能しなくなっている。 ロシア科学アカデミー中国・現代アジア研究所日本研究センターのオレグ・カザコフ主任研究員は次のように説明する。
「沖縄に米軍基地があるだけでは、日本を守るには十分ではない。迅速かつ重大な決断を下し、軍事作戦を管理し、例えば台湾周辺で事態がエスカレートした場合に日本や他の地域勢力とより効果的に行動するために、相互作用のメカニズムを見直す必要がある。
つい1年前までは、この地域の他のパートナーとの連絡拠点として、日本にNATO事務所を開設するという話もあったが、このアイデアは日本では国民の支持を得られなかった。そして米国では、トランプ前大統領がNATOに資金を提供することに概して強く反対していた。
だが、21世紀の戦争は20世紀の戦争ではないことは誰もが認識している。今日の戦争は、ドローン、サイバーセキュリティ、AIの使用など、以前には存在しなかった他のテクノロジーに関するもの。これらすべては、軍隊を組織するうえで新しいアプローチ、管理方法、相互作用を必要とする。
つまり、中国の力の増大と地政学的な全体的な複雑な状況によって、二国間同盟の構想が見直されている。だが、バイデン・岸田首脳会談では、この計画は点と線でしか示されない。具体的な作業は、今年後半に日米の外務・防衛担当大臣によって行われるだろう」