プーチン大統領は、最近明らかに関係が悪化した米国の政策について、米国は同盟国を必要としているのではなく、従属国を必要としているとの見方を表した。プーチン大統領は、ロシアはこのような関係のシステムで「存在することはできない」と述べた。なおプーチン大統領は、ロシアは米国および他の西側諸国との関係を完全に回復する用意があると指摘し、
「私たちが関係を損ねたのではない。私たちは常に東ならびに西の全ての国との正常な関係を支持している。正常な関係を回復するための最も重要な条件は、ロシアへの敬意とロシアの利益の尊重だ」と述べた。
またプーチン大統領は、西側の対ロ政策について特に制裁に注目し、このような措置をつかってロシアに圧力を加えることは、無益かつ意味のないことであり、私は、我々のパートナーたちが、このような状況を理解するはずだと考えると語り、西側の制裁はその目的を達成できなかった、指摘した。
またプーチン大統領は、フランスがロシアへのミストラル級強襲揚陸艦2隻の引渡しを延期していることについて、
「軍事・政治的ブロックの枠内、この場合は北大西洋条約機構(NATO)の枠内だが、この枠内で自国の主権の一部を失っている我々のパートナーたちの信頼性は疑わしい。私たちはもちろん、軍事・技術協力分野における今後の協力の中でこれを考慮するだろう」と語った。
欧米の多くの政治家たちが、ロシアを孤立させようとして、モスクワで5月9日に開かれる戦勝70周年記念式典への出席を断った。プーチン大統領はこれについて、自ら出席を望まない人もいるが、多くの人が出席を望んでいるにもかかわらず、米国が許可しないために出席できない人たちもいるとし、しかしこれは彼らの選択であり、私たちは常にその選択を尊重する、と指摘した。
またプーチン大統領は、最近大きな反響を呼んだイランへの地対空ミサイルシステム「S300」の禁輸措置解除の発表についてもコメントした。プーチン大統領はこれについて、最近イランの核問題が解決に向けて前進したため、禁輸措置を続けるのは意味がないとの考えを表した。プーチン大統領は、イランへの「S300」の輸出が国際的制限の対象となったことはなく、国連の制裁リストにもこのようなシステムは含まれていないと指摘した。
全体としてプーチン大統領は、国際情勢に関する質問に受け答えする中で、ロシアはどの国に対しても敵になろうとはしていないと常に強調し、
「私たちは、巨大な発展ポテンシャルと多くの天然資源を持つ国であり、もちろん偉大な核大国でもある… そのため私たちの敵になっても友人になっても名誉であることに変わりはない。私たちは誰も敵だとは考えてはいない。これは国際社会の参加者たちのことを指している。私たちは誰も敵だと考えてはおらず、私たちを自分たちの敵だとみなすことを誰にもお勧めしない」と述べた。
プーチン大統領によると、ロシアは自ら孤立する方針をとる意向はない。
プーチン大統領は、「私たちは口を尖らせてふくれっ面をしたり、誰かに腹を立てたり、身を引いたり、孤立するべきではない。私はこのことを常に繰り返してきた。私たちは協力を望んでおり、その用意がある。なお特定の国々の複数の指導者たちの立場はそれとして、私たちはこれを行う」と述べ、ロシアは、ロシアとの作業を望む国々と、人道、経済、教育、芸術などのあらゆる分野で協力すると語った。