「世界の資本市場へのアクセスを制限され、我々の主要な輸出品の価格が下落したにも関わらず、我々は状況を安定化し、困難な時期を確信を持って通り過ぎようとしている。」
プーチン大統領はさらに、「ロシア経済は国内に十分な耐久性を蓄え、ポジティブな貿易収支を維持しており、非資源の輸出が伸びている。通貨レートも安定化にこぎつけ、消費者需要が復活し始めた」と指摘した。
プーチン大統領は、西側のしいた制限に対し、ロシアは市場閉鎖を行わず、逆にビジネスの自由を拡大したと強調した。輸入品の入れ替えプログラムを積極的に拡大したことについて、プーチン大統領はその目的は高品質で競争力の高い製品を生産するだけでなく、「発展課題の解決のため、ロシアの国内ポテンシャルをより完全に効果的に使うため」と説明している。
プーチン大統領は工業企業が再び作られるように、特別な税制度や納税上の特典を作る構えであると語った。そのほかロシア政府には実業界とともに、外国の技術の引き渡し、ロシア経済の発展における投資家の資本のより効果的な使用に関する提案を準備するよう指示が与えられている。
対外経済関係についてプーチン大統領は「ラテンアメリカ諸国、BRICS諸国との貿易経済パートナーシップは大きなポテンシャルを有している。7月上旬、ロシアで行われるBRICSサミットが我々のビジネス・コンタクトの拡大を必ずや促進するだろう」と語っている。同時に、グローバル成長の新たな中心との積極的な相互関係ができあがっても、だからといってロシアが西側の昔からのパートナーらとの対話を退けることにはならない。
プーチン大統領が特に注意を払ったのは、アジア太平洋地域諸国との経済関係の見通しだった。大統領は今の現実がこうした状況であるため、「中国、日本、韓国、ASEAN諸国はすでに世界経済の4分の1を占めている。この先の10年でまさにこうした市場が世界の商品、サービスの需要の成長の主要な源となるだろう。世界で、政治、経済で起きているすべての横揺れにもかからず、この傾向は不可避なものだ」と指摘している。
このことからプーチン大統領は「アジア太平洋地域諸国とのパートナーシップの強化は我々の作業の一番重要な部分だ。特に、ロシア極東の発展には欠かせない。ここで我々は資本、生産拠点を移す上で最大限自由で快適な条件を作ろうとしている」と語っている。
プーチン大統領は演説を次のような言葉で締めくくっている。
「我々は、同権および相互尊重の条件で作業を行おうとする者、互恵的プロジェクトの実現に関心のある者とは分け隔てなく協力を行っていく。ロシアは世界に対し、経済に限らず科学、人道的相互関係、全世界の市民社会や実業界の代表らとのコンタクトに対し開かれている…。こうした対話は共通の利益に答えるものであり、共同作業の基礎となる信頼保持を促すものだ。」