シュピーゲル誌は、米のすすめる欧州核弾頭配備によって西側世界は不安定化し、分断される恐れがあると指摘する。「ベルリンは欧州が再び、膨れ上がる東西対立の只中に置かれ、ドイツが(核兵器の)配備圏になることを恐れている。」
独国防省の情報筋はシュピーゲル誌に対し、兵器のかなりの部分がまさにドイツに配備される危険性があるとの予測を明らかにした。メルケル独首相は、米国の連合国の公の批判をかわしてはいるものの、こうした将来性を受け入れてはいない。メルケル首相はホワイトハウスと喧嘩するか、それともとうとう国民の前に「米国の傀儡」の姿を晒すかというジレンマに立たされている。
ドイツ国際関係安全保障研究所のオリバー・マイエル氏をはじめとするドイツ人専門家らは、米国はロシアが中距離核戦力全廃条約に違反したと主張するものの、これは確信的なものではないとの考えを示している。なぜなら、今、自国の核ミサイルの欧州配備のために基本的な原因を作っているのは米国のほうだからだ。
シュピーゲル誌によれば、ドイツの連邦情報局のアナリストらは、ロシアからの脅威レベルの大きな変化は一切認められないと公言している。