ギリシャは水曜以降、財政支援を失い、債券市場にアクセスすることが出来なくなる。
ミュンハウ評論員は次のように述べている。
ギリシャ政府としては、プログラムを拒否することが、唯一確実かつ合理的な決定である。計画を受け入れた場合、ギリシャはさらに数年、不況に見舞われることになる。
ギリシャのユーロ圏離脱は短期的にはマイナスの影響のほうが大きいだろう。しかしそれによってギリシャの復興への望みは残る。
債権者らとの合意がなければ、住民投票も意味を失う。もし国民が最後通告を受け入れたとしても、プログラムを元に戻すことは出来ない。
欧州中央銀行は「緊急流動性支援(ELA)」の枠内でギリシャの各銀行の融資額を削減し、資本の動きを管理する構えだ。続いて並行通貨が発行され、それによりギリシャは、EUおよび欧州中央銀がギリシャの銀行システムの処理方法を確立するまでの間、賃金や年金を払うことが出来るようになる。
もし住民投票が支援プログラムの期限が切れる前に行われたなら、このプロセスを阻むことも出来ただろう。ギリシャ政府の決定はギリシャのユーロ圏離脱の可能性を高めるだけである。
実施が発表されている住民投票は、既に期限の切れたプログラムに関する、既に存在しない提案について社会と協議をする、一種の茶番に終わってしまう。
問題は、いつ欧州中央銀が引き金を引くのか、ということに尽きる。なぜなら欧州各国の財務当局に「ユーロ圏内のデフォルト」に備えた計画があろうはずがないからである。
「どうやら我々は破局に向かっているようだ。これは最悪の結果である。しかしユーロ圏のほかの参加者にとっては、悪夢はほんの序の口に過ぎない」。
以上のようにフィナンシャル・タイムズ紙のミュンハウ評論員は述べた。