「歴史上初めて、インドの指導者が、一度に中央アジアの国々をすべて訪れる。これは、歴史的、伝統的、地政学的性格を持ったものなど、一連の理由によって説明できる。これらの地域とインドは、すでに古代から、一つの地政学的空間にあった。そうした見地から見れば、なぜこの地域が、インドの関心の範囲内にあるのか理解できるだろう。」
現在この地域は、インドにとって特別の意義を持っている。インド政府は、上海協力機構の完全なメンバー国になる用意をしている。つまり積極的に、大ユーラシア共同体創設に参加するつもりなのだ。ジャワハルラル・ネルー記念大学ロシア・中央アジアセンターのアルン・モハンティ(Arun Mohanti)所長は、ラジオ・スプートニクのインタビューに応じた中で、その点に注意を促し、次のように続けた-
この地域と我々とは、豊かな文化的文明的絆により結びついている。しかし残念ながら、我々と中央アジア諸国との間の貿易経済関係は、余り発展していない。まさにそうした理由から、インド政府は«Connect Central Asia»という名前の政治路線を作成した。それゆえ今回モディ首相は、中央アジア5カ国すべてを一度に訪問する事にしたのだ。」
インドは、北部と南部を結ぶ輸送経済回廊及びエネルギープロジェクトTAPIの実現、地域の安全保障分野での中央アジア諸国との協同行動に非常な関心を抱いている。
ロシア科学アカデミー東洋学研究所インド調査センターのタチヤナ・シャウミャン所長は、モディ首相を「状況を分析し、具体的なケースにおいて、またインドの影響力拡大にとって最も適した決定を下す能力のある経験豊かな政治家だ。彼は、インド文化と現代的知識のソフト・パワーを利用するつもりだ」と指摘し、次のように続けたー
「文化的文明的浸透という点では、つい先日我々は『国際ヨガデー』を、その実例として目にした。こうしたものには巨大な力がある。現在実際にソフトな影響力を用いるというメソドが存在する。例えば言葉の普及がそうだ。現在世界中に、ヒンディー語が普及しつつある。近くインドは『国際ヒンディー語年』を宣言する考えさえ持っている。」