手紙の中で上院議員は、ウクライナの首相に対し慇懃に「ミスター」と呼びかけ、ウクライナ国内における民主化の進め具合について極めて価値あるアドバイスをしている。また上院議員は、どの閣僚を政府に残し、誰を退任させるべきかについても書いている。
例えば、ドゥルビン議員の言葉によれば、米上院は、パヴレンコ農相の仕事ぶりを認めている。とりわけ米国とウクライナの企業間の関係拡大に向けた農相の努力については、特別に評価されている。また原子力エネルギー関連の「エネルゴアトム」社のネダシコフスキイ社長についても、同様に有益な人物と認めている。
一方、ヂェムチシン石炭産業・エネルギー相やガス採掘企業「ウクルガスドブィチャ」のコスチューク社長の今後には、暗雲が立ち込めているようだ。ドゥルビン上院議員は「どちらの人物も、要求に答えていい」と書いている。一方米国の上院議員の間では、アヴァコフ内務相に対する意見が一つにまとまっていないようだ。彼らは、よく考える時間が欲しいと言っている。
キエフ当局が、ワシントンにお伺いを立てずに一歩も動けない事は、すでに大分前から誰の目にも疑いないものだった。しかし米国がこれだけ深くウクライナの内政に関与しているとは、恐らく誰も想像できなかったのではないか。ポロシェンコ大統領により貯められ、どこかに消えてゆくパーマネントローン、そして米国に対しなされるウクライナのエネルギー企業買収の訴え、こうしたものは、ウクライナがもう大分以前から自らの独立を失ってしまっている事を確認するだけだ。EUとの連合は、ますます米国の植民地化を思い起こさせるものになっている。マイダンを支持した人々は、こんなことを夢見ていたのだろうか?
一方すでにドゥルビン上院議員の代理人らは、ヤツェニューク首相に送られたこの手紙の信憑性を否定した。リア-ノーヴォスチ通信の取材に対し、上院議員の広報室長を務めるベン・マーサー氏は「ドゥルビン上院銀の代理人達は、FBIとCIAに訴えを出した」と伝え「この手紙は偽物だ。明らかに、英語を十分に習得していない誰かによって書かれたものだ」と指摘している。