合意の具体的内容や次回訪米の具体的期日について、韓国外務省は何も明らかにされていない。韓国のプレスの報道によれば10月、北朝鮮では朝鮮労働党結成70周年が大々的に祝われる。そして同じ10月、北朝鮮は韓国に対し、長距離ミサイルの発射などで「戦略的レベルの扇動」を行う可能性がある。これについて 韓民求(ハン・ミング)国防相は声明を表している。これより以前、北朝鮮は韓国に対し、北朝鮮が南との対話を拒否しているのは国連の北朝鮮人権問題事務所がソウルに開設されたのが理由だと警告していた。これまで専門家らは、事務所が余計な装飾なしに開設されれば、北朝鮮が南との対話をほのめかしただろうと指摘していた。ところが事務所開設は韓国マスコミで大々的に取り上げられてしまったのだ。米国はこうしたなか、北朝鮮政策の問題は特に人権問題は国際刑事裁判所に提出される可能性も排除していない。このあと北朝鮮は「話をする機会は失われた」という声明を出した。
「新たな合意の本質は明らかにされていないが、北朝鮮に対する米韓の立場の強硬化が反映されたものだろうとは想像できる。これを裏付けるのが韓国マスコミがばら撒いた情報で、金正恩氏が90人の側近を処刑したとか、体制が厳格化されたとか、北朝鮮は危険だと盛んに言われている。明らかに心理的な準備が行われており、米韓の軍事同盟の強化のためにその理由付けがなされている。これが朴大統領の訪米の主目的のひとつでもある。それでもこれは北朝鮮の攻撃性が増したことと関係があるはずはない。軍事的な脅威は高いレベルにあるが、それでも現段階で深刻な変化は認められない。大体において、北朝鮮が韓国を攻撃しようと企てているなどありえない。なぜならそうなれば北にとっては自殺行為だからだ。これは米国にとって戦略的に重要な朝鮮半島において、米国が立場の強化を図ろうとしているだけの話だ。そして第1にこれは北朝鮮の行為に関係するというよりは、むしろ中国というファクター、中国抑止政策に関係しているのだ。」
「米国は韓国を服従させている。戦勝記念日に朴大統領がモスクワに行こうとしていたのを米国が真っ向から禁止したことを例に取れば十分だろう。米国はこの先、同地域で中国の役割が強化、拡大するのを全く歓迎していないことは火をみるより明らかだ。9月、北京でも戦勝記念行事が行われるが、米国はここでも韓国の参加を望んでいない。だが、だからといって米国にとっては全てが一様であるわけでもない。中国はすでに韓国にとってかなり重要なパートナーとなっており、最終的には朴大統領は北京へ行くものと思われる。」