天然資源の宝庫 北極圏

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天然資源の宝庫 北極圏 - Sputnik 日本
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先日ロシアのセルゲイ・ドンスコイ天然資源利用相は「ロシアは、北極圏における大陸棚の境界線拡大についての要請について、合意作りが一日も早く終わり、国連にそれを提出できるよう期待している」と述べた。この発言に先立ち、北極圏のロシア領内に集中している有用鉱物の総額は、300兆ドルを超えるとの試算も現れている。ますます多くの専門家らが、ロシアにおける石油やガスの採掘の重心は、今後北極海の大陸棚へと移って行くだろうとの結論に達している。

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北極圏が事実上あらゆる種類の天然資源に恵まれている事は、もう大分以前から語られてきている。調査専門家の意見では、氷の下には、800億バレル以上の原油、言葉を代えれば、世界の埋蔵量の13%が眠っている。またこの地域のガスは、学者のデータでは、およそ1550兆立方メートルに及ぶ。さらに興味深い事に、発見されていない原油の大部分は、アラスカ沿岸部にあり、天然ガスのほぼすべては、ロシア沿岸に集中している。

今日、バレンツ海、ペチョラ海、カラ海では、200以上の有望な産地が見つかっているが、すでに数十カ所で開発が始まっている。そのうち、バレンツ海とカラ海の大陸棚はそれぞれ11ずつで、オホーツク海の大陸棚は8つだ。ロシアは北極圏地方で、大変多くの重要なプロジェクトをスタートさせることができた。ロシア石油ガス産業家同盟専門家評議会のメンバー、エリダル・カサエフ氏は、この点を強調し次のように述べているー

「採掘について言えば、私達はもう数年間、北極圏で行っている。その量はまだ多くない。正確にどのくらいの埋蔵が確認できるのか、今のところまだ分からない。現在は、この地域での試掘が進められている。それが終われば、北極で我々はどのくらいの量の石油やガスを採掘できるのか、将来市場にどのくらい出せるのか、予想する事ができる。」

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すでに今年初め多くの分析専門家らは、北極圏は、大きな変化の時を迎えていると述べた。大陸棚の資源開発において、ロシアが担う役割は特別である。しかし政治が口を出し、変更を持ちこむ。この事について、分析機関Small Lettersの責任者ヴィタリイ・クリュコフ氏は、次のように指摘したー

「2020年までに開発を進め採掘を開始するという大きなプランがあった。このプランは、20年か25年のはるか先に延びてしまうと思う。制裁が導入された事に関連している。現在我々のもとには、北極圏の条件下で効果的に利用できるような設備がない。それでもやはり欧州のプレーヤーが北極圏にやって来るだろうとの期待がある。ShellやStatoil といった企業が、何らかの方法で地質探査を活発化する可能性がある。しかしそれでも、今のような価格そして制裁という条件の中では、ここ数年の間に、北極圏での地質探査の活発化を期待できるとは思えない。」

しかしロシアは、こうしたプロジェクトを終わらせるつもりはない。遅かれ早かれ、北極の資源は、今後いつか注目を集め積極的な開発が進むだろう。ロシア石油ガス産業家同盟専門家評議会のメンバー、エリダル・カサエフ氏も、そう確信している-

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「北極圏にあるロシアの資源は、膨大だ。エネルギー省の評価では、石油換算で1千億だ。確認された潜在的資源の開発と輸送には、時間とテクノロジーが必要だ。我々の機関の評価では、15年から20年と見積もられている。」

北極圏にある鉱物資源の主なものは、コラ半島北部に集中している。それらは、プラチナ、銅ニッケル鉱石、チタン、タンタル、ニオビウム、希土類金属、鉄、リン、ポリメタル、蛍石、クロム、マンガン、金、ダイヤモンドだ。こうした資源に対し、制裁による圧力からロシアでのプロジェクトを縮小せざるを得なかった投資家達も、決して無関心ではいられないだろう。専門家らは、状況が変わり、投資家達は、遅かれ早かれ、ロシアで働く方法を見つけ出して、一緒に北極圏に眠る宝を掘り出すようになるに違いないと楽観的に見ている。

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