今日、バレンツ海、ペチョラ海、カラ海では、200以上の有望な産地が見つかっているが、すでに数十カ所で開発が始まっている。そのうち、バレンツ海とカラ海の大陸棚はそれぞれ11ずつで、オホーツク海の大陸棚は8つだ。ロシアは北極圏地方で、大変多くの重要なプロジェクトをスタートさせることができた。ロシア石油ガス産業家同盟専門家評議会のメンバー、エリダル・カサエフ氏は、この点を強調し次のように述べているー
「採掘について言えば、私達はもう数年間、北極圏で行っている。その量はまだ多くない。正確にどのくらいの埋蔵が確認できるのか、今のところまだ分からない。現在は、この地域での試掘が進められている。それが終われば、北極で我々はどのくらいの量の石油やガスを採掘できるのか、将来市場にどのくらい出せるのか、予想する事ができる。」
「2020年までに開発を進め採掘を開始するという大きなプランがあった。このプランは、20年か25年のはるか先に延びてしまうと思う。制裁が導入された事に関連している。現在我々のもとには、北極圏の条件下で効果的に利用できるような設備がない。それでもやはり欧州のプレーヤーが北極圏にやって来るだろうとの期待がある。ShellやStatoil といった企業が、何らかの方法で地質探査を活発化する可能性がある。しかしそれでも、今のような価格そして制裁という条件の中では、ここ数年の間に、北極圏での地質探査の活発化を期待できるとは思えない。」
しかしロシアは、こうしたプロジェクトを終わらせるつもりはない。遅かれ早かれ、北極の資源は、今後いつか注目を集め積極的な開発が進むだろう。ロシア石油ガス産業家同盟専門家評議会のメンバー、エリダル・カサエフ氏も、そう確信している-
北極圏にある鉱物資源の主なものは、コラ半島北部に集中している。それらは、プラチナ、銅ニッケル鉱石、チタン、タンタル、ニオビウム、希土類金属、鉄、リン、ポリメタル、蛍石、クロム、マンガン、金、ダイヤモンドだ。こうした資源に対し、制裁による圧力からロシアでのプロジェクトを縮小せざるを得なかった投資家達も、決して無関心ではいられないだろう。専門家らは、状況が変わり、投資家達は、遅かれ早かれ、ロシアで働く方法を見つけ出して、一緒に北極圏に眠る宝を掘り出すようになるに違いないと楽観的に見ている。