ロシア原子力科学・教育協会のエキスパート、ヴィクトル・ムロゴフ氏は「日本にとって、それは避けられない」と見ている-
「日本には、他の出口はない。国はほとんど100%、外国から輸入した資源を消費している。もし日本がガスや石油、石炭の輸入し、できる限りそれを続けても、あらゆる原発を止めた結果生じる不足分を補うには不十分だ。なぜなら日本の原発は、国の電気エネルギー消費量のおよそ3割あるいは4割も産み出しているからだ。」
福島第一原発事故後、日本では国の原子力安全のあらゆる基礎が見直された。原発の安全に関する新しい要求を満足させるため、原発を運営するあらゆるエネルギー企業では、広範な技術的作業が必要とされた。そうして今回ついに川内原発の第1号炉が、日本の原発がすべてストップした後、電力を生産する初めてのケースになる。 燃料集合体の配置や冷却水の回路、カバーの密閉性も含め、技術的安全システムの全てが検査されるだろう。テストを受けるのは、発電所の職員もそうだ。非常時にどう行動するか訓練も行われる。こうした事で福島のような事故が繰り返されるリスクはなくなるのか、あるいは最小限になるのか
この質問を、ラジオ・スプートニク記者は、ムロゴフ氏にぶつけてみた-
「あらゆる原子炉にはリスクがある。誰が何と言おうと、事故が起こる確率は隕石が落ちてくるのと同じだと言っても、常に事故はあり得る。いつそれが起きるのか、100万年後かもしれないし、明日かもしれない。それは誰にも分からない。どのような産業、化学であれ農業関連であれ自動車製造であれ、そこでは事故が起きる。記憶している限りでは、インドのボパールで起きた農薬製造工場での大事故では2万5千人もの人々が亡くなった。農業関連だけで、この事実だ。事故が起こらないと言う根拠などない。我々は、不幸にして事故が起きてしまった場合、住民に悪影響が及ばないようにするという立場に立つべきだ。それが、我々が言うところの安全だ。」
福島で破滅的な悲劇が起こるまで、日本では54基の原子炉が稼働し、その数はフランス米国について世界第三位、アジアでは第一位だった。福島第一原発事故によるショックから、政府は、原発再稼働のために大変な努力を傾けた。現在日本政府は、原子力エネルギー利用比率を、2030年までに全体量の20-22%に戻していこうと考えている。