元支持者たちを排除するウクライナ政府

© AP Photo / Emilio Morenattiウクライナの民族主義者グループ「右派セクター」
ウクライナの民族主義者グループ「右派セクター」 - Sputnik 日本
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ウクライナのヴィタリー・ザハルチェンコ元内相は、リア・ノーヴォスチ通信のインタビューで、ウクライナでは近いうちにもウクライナの過激派民族主義組織「右派セクター」とウクライナ治安機関との衝突が起こる可能性があるとの見方を表した。ザハルチェンコ氏は、現ウクライナ政府は「右派セクター」を武装解除させることはできず、全体としてウクライナでは犯罪が増えており、ウクライナの一般市民は生活するにも仕事をするにも極めて不快な状況にあると考えている。

ザハルチェンコ氏は「右派セクター」を、大統領や首相の辞任、議会の解散、ミンスク合意の破棄を要求する野党の政治勢力であると性格づけた。

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ウクライナには数的にも構造の強度でも優位に立つ別の勢力があるが、「右派セクター」は政府にとって手ごわい敵だ。なぜなら「右派セクター」は過激派武装組織であり、権力を掌握するための戦闘経験や、対テロ作戦に参加した経験を持っているからだ。「右派セクター」が自発的に武器を置くことはない。もし極めて悪い状況に陥った場合、「右派セクター」は森へ入ってゲリラとして戦い、鉄道を爆破し、列車を脱線させる。

カオス(混乱状態)、ゲリラ、テロが「右派セクター」のテーマであり、彼らは今後もこの活動を続けるだろう。「右派セクター」を軍あるいは警察に組み入れることには期待できない。「右派セクター」は、軍や警察に加わることを望んではいない。政府には手立てがない。「右派セクター」と戦うのは不可能であり、武装解除させることもできず、軍などに組み入れようとしても彼らは言うことを聞かない。だが実際のところ、現政権にはずるい策略がある。それは、ドンバスでの対テロ作戦と呼ばれる義勇軍との戦いにおけるものだ。現ウクライナ政府は、政府側の戦闘員が最後の1人になるまで軍事紛争が続くことに関心を持っている。対テロ作戦の暗黙の課題は、戦闘員たちが義勇軍との衝突で自然な形で死亡するというものだ。現ウクライナ政府に権力をもたらした元支持者たちを排除するという課題は、現政府の異常なあつかましさを物語っている。しかし戦闘員たちはこれを理解している。

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そのため兵士としてではなく懲罰者として活動することを好み、直接衝突には参加しないようにしているのだ。その他にも戦闘員たちはウクライナ全土で中小企業の「保護者」や「密輸と戦う闘士」などの役割も務めている。これはすでに右派セクターの犯罪ビジネスとなっている。これに関してもウクライナ政府は何もできない。ウクライナ全土で人々の安全性が著しく低下し、憂鬱な雰囲気が漂い、これを受けて自殺者や外国への移住者が増え、観光客は減少した。すなわち、治安システム全体の機能に障害が明確にあらわれているのだ。

ザハルチェンコ元内相は、ウクライナ国民の半数あるいは半数以上が現在の状況に不満を抱いており、ウクライナ東部の戦争を支持してはおらず、ポロシェンコ大統領の政策については全く支持していないとの見方を表している。しかし、国民たちはそれを隠さなければならない。なぜなら現政権に不満を抱いている人たちは、侵略の共犯者とされてしまうからだ。これは刑事告発と自由刑の執行を意味する。そのため国民たちは隅でコソコソと囁くだけで、まだ沈黙している。国民の多くはこのような生活を送っている。しかし「右派セクター」のように武器を手にして激昂し、政府を脅している人たちもいる。彼らは自分たちを野党と呼んでいるが、実際は武器を持ったならず者だ。ウクライナの政治状況は停滞し、経済は衰退している。

 

 

 

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