ユーロ圏の周縁諸国の国債市場から資本が逃げ出した結果、ドイツはドイツ国債の利息を大幅に節減できた。
金融市場がギリシャからネガティブなニュースを受け取るたびに、ドイツ国債は利下げし、ポジティブなニュースがあると、利上げしたという。
アテネ債務問題やアイルランド、ポルトガル、イタリア(2010年)の低い支払い能力に不安を覚えた投資機関はこれら諸国の国債を一斉に売却、伝統的に高い信頼性を誇りEU債券市場唯一の「避難所」と目されるドイツ国債に殺到した。
こうした資本の動きと欧州中央銀行の市場支援策が相まって、ドイツ国債は価格が高騰し、利率は歴史的最小値を記録した。今年春の10年物国債の利率は僅か0.07%、短期国債は利率がマイナスだった。
ライプニッツ・インスティテュートによれば、ギリシャ破産と2010年のスペイン、ポルトガル危機で、ドイツは均衡財政を達成した。もし利払い節約がなかったら、ドイツはこの5年間でもう1000億ユーロ、多く支払わねばならないところだった。
ただし、ドイツはギリシャに対する3つの支援プログラムで、900億ユーロを計上している。しかし、ギリシャがびた一文ドイツに払わなかったとしても、それでもドイツは危機で黒字を出すことになる、とライプニッツ・インスティテュート。
ギリシャ財務省テオロドス・ミホプロス報道官によれば、ギリシャは火曜朝、数時間の交渉の末、債権者側と合意に達した。これで融資が得られることになり、ギリシャはユーロ圏にとどまり、破産を免れることが出来る。なお、ブリュッセルの消息筋情報としてブルームバーグが伝えたところでは、支援プログラムの総額は当初合意されていた860億ユーロを上回る可能性がある。
ギリシャと債権者側はギリシャへの第三次金融支援の根本条件をなす主要な財政指標について合意した。
ギリシャと債権者側はギリシャへの第三次金融支援の根本条件をなす主要な財政指標について合意した。
ギリシャは合意の早期発効を求めている。20日には債務償還のため欧州中央銀行に32億ユーロを支払わなければならないからだ。