連動して、例によって日本、シンガポール、インドなど、アジアの主要な取引所でも、株価が急落した。東京の取引でも主要指数が暴落した。日本の大手企業225社の株価を反映する日経株価指数は4%も下落、心理的に重要な閾値である18000ポイントを下回った。半年振りの水準だ。
「中国市場のボラティリティ要因は相当多く、誰にもしかと予測はできない。要因は経済的なものも政治的なものもあり、様々である。合理的な説明を超える主観的な要因も多い。たとえば、中国の有価証券の安定性が足りなく感じるだとか、中国通貨が不安定だとかといった感触などである。もちろん政府は安定化策をとっている。しかしそれは不十分なようだ。指導部には小さくない額の準備金がある。これで債券市場の乱高下を止めることはできる。手立ては部分的には打たれている。たとえば、年金基金の資金使用が解禁された。取引所を落ち着かせるための措置だ。しかし基金じたいが赤字なので、これだけでは不十分ではないのか、さらに追加の手立てを講ずる必要があるのではないか、と言う点が不明である」
「調整のための準備金は存在する。ここで必要なのは確実性ということなのであるが、実際のところ、中国の金融当局は非常に強く制約されている。なにしろ通貨の切り下げや債券市場の動揺は非常に深刻な社会的・政治的結果をまねくかもしれないのだ。上海および深センの取引所でここ数ヶ月見られる現象は、大なり小なりマネーゲームに参加している中国人数千万人にかかわる話だ。よって、下落は急には止まらない。下落は中国の金融システムの非常に多くの要素が極めて脆弱で、不安定で、未熟であることの証左なのだ」
トレンドを待ち、観察する必要がある。しかし、絶対に、これら事象の中国経済への影響を増幅してはならない。そう語るのはロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所のアレクサンドル・サリツキイ氏だ。
中国の証券取引所の暴落は習近平国家主席の米国訪問まで一ヶ月を切った時期に起きた。オバマ大統領との会談でこのことが取り上げられることは間違いない。
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