この声明は中国の証券市場の新たな急落に対する、ロシアからの公式的な反応だ。大使の声明は中国人民銀行が国内の金融システムに1400億元を投入した翌日に出された。この218億ドル相当の投入は短期の調整ツールとなった。
現代発展研究所の専門家、ニキータ・マスレンニコフ氏は、中国の調整機能は貨幣の面でもクリエイティブ度でも問題解決のために十分なポテンシャルを有しているとの確信を示し、次のように語っている。
今日の状況の主たる根っこは証券市場の動きなどよりずっと深い場所にある。これはつまり、金融システムがバランスを欠いており、闇バンキングの占める割合が著しく大きいことに起因している。
地方政府は巨額の債務を抱えているため、政府の再編が行なわれるたびに債券が発行され、市場景気にはさらなる混乱が巻き起こされる。これは、みんなが思っていたことにつながる。それはつまり、中国はやはり、これからの数ヶ月間で宣言されていた構造改革計画をやり遂げねばならないということだ。
ところがこうした大きな事というのは、証券市場から予算策定の原則に至るまで、金融セクターの刷新から開始せねばならないのだ。中国がこの問題をどれだけ迅速にクリアできるか、または少なくとも金融社会全体に対し、この問題をラディカルかつスピーディーに解決する意向であるかをどれほど早急に示すことができるか、これに、投資家や中国証券市場に参加する者たちの気持ちの切り替えもかかっている。」
ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所の専門家、アレクサンドル・サリツキー氏は、これについて海外から中国に危機脱出策を押し付けようとする者らの近視眼的やり方に注意を喚起し、次のように語っている。
「外部の観測筋に耳を傾けることもおそらく必要だろう。それはこうした観測筋が本当に外側から見て中国経済に精通し、事を理解している場合には。だが、大体こうしたメカニズムの機能を理解する人が少ない状況で、なんらかの働きかけに譲歩するのはもちろんおかしな話だろう。こうした状況で中国に誰かがこれ以上、余計な圧力をかけることのないようのぞみたい。なぜならことはそう簡単ではないからだ。念頭にいれておかねばならないのは、中国の場合、我々が事を構えている相手はメガ経済であり、これは非常に特殊な調整可能なものだということだ。これはその規模から発展する世界のなかでも前例のない国だ。すべては新しい現象であり、これを西側の定規で測ろうとするのは馬鹿げた話だ。」
これについて、中国現代国際関係研究院世界経済研究所の陳風英(チン・フェンイン)所長の見解をご紹介しよう。
「FRBが金利引き上げを決定すれば、世界の証券市場に影響が及ぶことは間違いない。米国経済の状態、また有価証券市場の状況を考えれば、米国が再びこうした居に出た場合、新たな通貨切り下げや、証券市場の下落、資本流出が招かれ、最終的には米国の国債市場にも波及するはずだ。9月に金利を引き上げれば、これは新たな震撼を呼ぶことは間違いない。健全な思考であれば、FRBはこうした決定を採らないだろう。しかも今、米国には有り金すべてを賭けに投じねばならない理由はない。」
米国にとってはある意味で真実の瞬間が近づきつつある。専門家らはFRBが中国人民銀行をはじめとする世界の主導的中央銀行と緊密にコンタクトを維持していくことで、FRBの決定に修正的な作用を及ぼすことができると予想している。