ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官も「ロ日双方の間で、訪問の日取りに関する合意が今のところできていない」事を確認する一方で「この件についての日本外務省の公式声明は、今のところない。推測は、マスコミの解釈によるものにすぎない」と述べた。
もちろん現在、公式的な声明が無いのは、その通りだ。しかしそれでも、ロシアのマスメディアも日本のマスメディアも、予定されていたプーチン大統領の東京訪問は取り消されるだろうと予想している。
直接的な理由として挙げられているのは、つい先日実施されたメドヴェージェフ首相のエトロフ(エトゥルプ)訪問で、この行動は日本当局の大きな憤りを呼び起こした。ロシアの新聞「ヴェードモスチ」は「この5年間で三度目となる、こうした出来事は、最も低いレベルでのロ日関係を崩壊させた」と指摘した。ロシア最高経済学院のロ日問題の専門家、アンドレイ・フェスュン氏も、それがどれだけ深刻なものか、次のように語っている-
「深刻なのは、関係の冷却化だ。しかし、日本側は冷却化をこれ以上大げさにしないように努力している。ロシアは、自分達の側から、日本との関係を積極的に断ち切ったり、あるいは台無しにするつもりはない。
経済関係の損失について言えば、ロ日協力は、ロシアあるいは日本に深刻な損失をもたらすというほどではない。もちろん、極東発展領域で何かのプロジェクトを始める事は出来ない。この事は、液化天然ガス工場建設に影響を及ぼす可能性がある。しかし例えば、サンクトペテルブルグ郊外あるいは極東に日本車生産工場は存在しているし、ロシア欧州部北部でのコンビナート建設プランもある。それらはすべて、現実のものとなっている。
また日本からロシアへの投資について言えば、こちらも著しい影響はないだろう。この領域では、ロシアは中国や韓国と効果的に協力している。一方日本は、大変残念なことに、ロシアにとって、それほど大きなパートナーとは言えないからだ。」
なおロシア科学アカデミー極東研究所日本調査センターのワレーリイ・キスタノフ所長は、次のようにコメントしている-
「日本側は、領土問題が近い将来解決しないだろうことは理解している。それゆえ恐らく、プーチン大統領の東京訪問に必要不可欠性はない。日本は今のところ公式的に、岸田外相のモスクワ訪問取り消しも、プーチン大統領の日本訪問取り消しも、伝えていない。プーチン大統領と安倍首相の会談が、中立的なフィールドで行われる可能性がある。そうした場となり得るのは、9月末の国連総会、あるいは11月フィリピンで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)サミットだ。」