以下その内容をお伝えする。
質問「多くの日本人参加者は、大手の銀行や企業の代表で、彼らは、ロシアとの経済協力、特に日本に近い極東地域での協力に極めて関心がある。しかし実際のところ、ロシアにおける日本ビジネスのプレゼンスは、余り大きくない。日本のビジネスマン達のロシアへの関心は、どのくらい本気なのでしょうか?」
答え「今回、自由港や先進開発地域といったものが設置され、法律がかなり以前と違ったものとなる。解放のために作った法律ということなのだろうが、しかし、従来通り厳格に、法律を法律で制限するという可能性も十分ある。ここは、行政の人たちも考え方を変えなければならない。そうじゃないと法律が生きてこない。これがひとつ。もうひとつは、極東は今人口がだいたい600万。ところがその背後に、東西シベリアがある。西シベリアは1500万、東シベリアは900万だから、足し合わせると大体3000万になる。だから、3000万の市場があると考える。で、ロシア側としては、その3000万人が、どういう商品をほしがっているのかということをはっきりしてほしい。たとえば自動車なら、組み立て
質問「吉田さんは、ロシアの東方転換をどう評価しておられますか?その利点や困難さを、どう見ておられますか?」
答え「人口が3000万しかいないウラル山脈から東の地域にロシアの富がある。森林からガスから何から全部ある。経済的に言うなら、その開発が遅れたのが弱点。しかし、日本が参加できるところでは、ロシアも、中国と話したあとで日本にも参加を呼びかけ、分業させればいいのに、それをしないのが分からない。小さなプロジェクトなら、中国に頼んで日本にも頼むとなると、がちゃがちゃする。しかし港とか、パイプラインとか、大きなプロジェクトなら、日本と協力したらいい。パイプラインについては、日本からファイナンスつきでロシアに供給している。そういうことは今後も続く。たとえばあの橋。設計は日本だ。しかしトラスはフランスから買っている。設計を任せておいてどうして日本から買わない。フランスから運ぶより日本から運んだほうが近いのに。そういう思考が、私などには抵抗がある。」
質問「おそらく、政治がビジネス活動に干渉しているのでしょうか? 今年予定されているプーチン大統領の訪日も、はっきり決まらない状態ですが…」
公益財団法人環日本海経済研究所(ERINA)の吉田進理事長へのインタビューをお聞きいただいた。なお吉田理事長は、中国の3つの大学の客員教授を務め、そこで日ロ関係について講義をしておられる。吉田理事長によれば、中国人は、このテーマに大きな関心を示しているとの事だ。