東方経済フォーラムに参加した中国代表団長を務めたワン副首相の、こうした発言は、中国人ビジネスマン達の気分と合致している。中国の主要75社のリーダー達が、新たな実験の場である、今回のフォーラムに参加した。中国人ビジネスマンの参加申し込みの倍率は、三倍を超え、ウラジオストクのホテルは、すべての参加希望者を受け入れることができなかった。なお第一回東方経済フォーラムには、中国から閣僚10人、知事4人を含め、中央及び地方政府の代表が104人も参加した。今回25カ国がフォーラムに代表団を送ったが、規模においても人数においても中国代表団が最大だった。
中国の企業グループ「シリウス」はすでに、官僚主義的煩雑さが緩和され、極東の優先開発(発展)特区に進出した企業には、法律により本質的な優遇税制措置が取られていることを評価し、アムール州「プリアムールスカヤ」特区の大型物流センター建設に融資しているだけでなく、このゾーンの管理への参加も求めている。
「シリウス」グループのタオ・ジャン(陶然)取締役会長は、ラジオ・スプートニク記者のインタビューに応じ「ロシア極東ビジネスの将来性には疑いがない」と述べ、次のように続けた-
「東方経済フォーラムは、中国のビジネスマンが、極東におけるロシアの新しい政策の本質、その戦略や戦術を知るよい助けになった。この地域で中国とロシアがすでに行っている投資プロジェクト、例えば極東での石油ガス資源の探査や開発、アムール州における石油加工工場建設、ウスリースクでの発電所建設などは、追加的な刺激を得た。
とはいえ中国の企業の大部分は、優先開発特区やウラジオストク自由港を含め、極東発展プランについて、まだよく知らないし、理解していない。それゆえ、第一回東方経済フォーラムが開始した仕事は、継続される必要がある。中国実業界は、ロシア経済への投資に大きな関心を抱いている。それが具体的なものになるためには、ロシア当局のイニシアチブや具体的なプロジェクトについて、話し合わなくてはならない。」
アムール州知事(サハリン州知事代行)のオレグ・コジェミャコ知事は「集団討議は、ロシア国境の東部地区で隣り合うロ中の州や省すべての利益に関係した諸問題を解決できるという点で、有益だ」と指摘し、さらに優先開発特区に触れ、次のように述べたー
「すでに10年以上存在している自由経済特区作りや、その機能に関する中国の経験は、我々にとって、言うまでもなく重要だ。中国は、この領域で大きな成功を収めた。優先開発特区やウラジオストク自由港のような新しいプロジェクトを実現する上で、中国の経験には、我々にとって有益な何かがあると思う。」
ロシアと国境を接する中国・黒竜江省のルー・ハオ知事は、ラジオ・スプートニクの独占インタビューに応じた中で「極東発展に向けた中国とロシアの協力には、好ましい展望が開けているが、言葉をもっと早く具体的な現実に変えるように、努力する必要がある。ロシア極東・中国北東部協力評議会が、そこにおいて重要な役割を果たすよう期待している」と述べ、さらに次のように続けた-
「作られた協力のメカニズムは、我々が直面している課題解決の道を、共に力を合わせ見つけ出す助けをするだろう。今回の会議により、双方が関心を持つ最も重要で具体的な問題を提起することができた。会議は、互いの交流を通じて、双方をさらに近づけ、相互理解を深めるものとなった。
中国黒竜江省のルー・ハオ知事は、ラジオ・スプートニク記者のインタビューに応じ「ロシアと3000キロ以上にわたり国境を接する中国において、我が黒竜江省は、ロシアの基本的パートナーである」と指摘し、次のように続けたー
「ウラジオストクでの東方経済フォーラムの場で、ロシア極東の地方や州の知事達と会い、共通の利益と関心がある諸問題を直接話し合うことができ、嬉しかった。国境を接するロシアと中国の地域には、共に成功裏に作業するためのあらゆる前提条件が揃っている。豊かな天然資源に恵まれており、自由な資本や強力な潜在的生産力が存在する。
東方経済フォーラムの場でのロシア側との交流は、実現化が遅れている共同プロジェクトの問題解決を加速化する助けになるだろう。」
このように、今回始めて開かれた東方経済フォーラムは、事前に提起された目標を達成した。フォーラムの成功を考慮し、こうした会合を毎年開くことが決まった。ロシア連邦極東管区のユーリイ・トルトネフ大統領全権代表が伝えたところでは、東方経済フォーラム-2016に向けた準備は、もう来月にもスタートするとの事だ。