又天野事務局長とイラン高官との会合では、包括的共同行動プランに従い、原子力領域に関連した措置のモニタリングや検証作業についても話し合われた。
ラジオ・スプートニクの政治・経済問題に関する常任エキスパートで、イランの新聞「イランプレス」の編集長であるエマド・アブシェナス(Emad Abshenass)氏は、今回の出来事について、次のような見解を示している-
「第一に『パルチン』の施設は、軍事用のものだが、核とは関係がない。あそこでは、原子力領域に関係したいかなる作業も行われていない。
IAEAの代表者は、以前すでに2度、様々な口実を付けて、この施設を査察した。査察実施のためのIAEAの口実は、イスラエルや米国、そして若干の西側諸国から入手した捏造されたデータや報告にのみ基づいたものだった。
一方イランは、その事を知り、IAEAは自国の戦略的に重要な軍事施設をスパイしているのではないかと疑うようになり、次の措置として、基礎的にしっかりし、証明のなされた明白な理由なしには査察を許可できないとして、IAEA職員の立入を拒否したのだ。
第二に、国際法によれば、イランは、自国の軍事施設にIAEAの査察官を入れる義務はない。天野事務局長の今回の訪問について言えば、彼は、イラン原子力エネルギー機関とイラン政府の招きで、施設を訪れたに過ぎない。その目的は、天野事務局長個人に、イランの政策の透明性を示し、IAEAが持つ所謂『未申告の核関連活動』についての疑惑を晴らすためだった。天野事務局長には、この施設がイランの核開発プログラムと何の関係もない事が示された。つまり今回の招待は、イラン側による善意と温情によるものであり、イランがIAEAとの関係の中で生じた氷を解かす用意のある事を、国際社会に示したものだった。
イラン政府は、IEAEに対するこうした措置が、一連の国々が保っている、イランの核プログラムに対するひどく否定的な態度を変える助けになってほしいと期待している。」