封鎖の突破口
ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターのヴィクトル・パヴリャテンコ所長は、露日外相会談を、西側による対ロシア外交封鎖の真の突破口であると評価した。パヴリャテンコ氏は、「西側は制裁を発動、強化しており、投資する者も誰もいない傍ら、(日本とロシアの間で)ハイレベルでの積極的な政治対話が行われている。これはある種、包囲や封鎖の突破口だ」と述べた。
パヴリャテンコ氏はまた、ロシアと西側の複雑な関係が、多くにおいて、日本をロシアとの積極的な対話へ向かわせる動機となったと指摘した。パヴリャテンコ氏は、次のように語っている-
パヴリャテンコ氏は、岸田外相のロシア訪問の主な成果は、2国間協議における次の行動を具体的に定めたことだとの見解を示した。
ロシアと西側の橋
国際関係大学東洋学部のドミトリー・ストレリツォフ学部長は、日本側のイニシアチブによるロシアと日本の外交コンタクトの確立は、西側諸国がロシアを孤立させる案から身を引こうとしていることを物語っているとの見方を示し、次のように語っている-
「私は、日本がある程度、ロシアとの政治対話について、前もって『G7』諸国の支持を得たと考えている。ロシアを政治的に厳しく孤立させることは、西側の利益にこたえないという、一定の理解があるように思われる」。
「政治対話は、日本の観点からも必要不可欠であり、これは西側とロシアの架け橋のようなものになる可能性がある。なぜなら日本は、欧州の政治に直接関与していないからだ。すなわち、ウクライナ紛争は日本の利益には一切影響しないということだ。国境画定問題の他には、ロシアと日本には国際政治に関していかなる対立点もない。このような状況において、日本の外交的ポテンシャルを用いて外交コンタクトを確立することは、西側の利益にかなうはずだ」。
ストレリツォフ氏は、露日外相会談を全体的にポジティブに評価した。同氏は、「外相級協議の再開は、最高の評価に値する」と指摘した。ストレリツォフ氏は、待望のプーチン大統領の訪日が、先に日本側が発表したように、年内に実現することに期待を表した。同氏は、「全ては、訪問が実施される方向に向かっているように思われる。プーチン大統領の訪日が年内に実現する可能性がどれだけあるのかを判断するのは難しい。しかし訪問が今年末、あるいは来年初めに行われることに期待を表明したい」と語った。