NATO、「イスラム国」、ウクライナのナショナリズム―3つの頭をもつモンスター

先日ウクライナをストルテンベルグNATO事務総長が訪れた。中東の軍事紛争が非常に緊迫している中でNATOという軍事ブロックのリーダーがダマスカスでもアンカラでもバグダッドでもなくキエフを訪れたことは、一見奇妙に見えるかもしれない。イスラム系のテロ組織が公然とキリスト教世界全体に対して敵対的な力を蓄えているのは、他ならぬ中東地域なのだから。

MIA「ロシア・セヴォードニャ」の専門家で哲学者のウラジーミル・レペヒン氏は、NATO事務総長がウクライナを訪問する目的は、「イスラム国」と実は同一の本性をもった政権を支持することだ、と見ている。両者の違いはわずかに次の点にしか見出されない。すなわち、ウクライナのウルトラナショナリストらはクリスチャンを装い、「イスラム国」はムスリムを装っているということ。どちらにせよNATOには、身内の存在だ。
一見、このような思考は世迷いごとだと見えるかもしれない。不健全な空想の産物に過ぎない、と。しかし、この思考においては、実は全てが非常に論理だっているのである。

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ここ何週間か、EUの対ウクライナ関係は明らかに冷え込んだ。難民問題のおかげでEUはキエフに対する義務から逃れるチャンスを手に入れた。そうして欧州大陸の南の境界に注意を向けかえた。

キエフとNATOの間には、これとは異なるタイプの相互関係が打ち立てられている。NATOにはEUとは異なる優先順位がある。欧州の社会的危機を、NATOは問題にしない。NATOにとっての最優先は、「ヴァーチャルな」敵との永遠の闘争である。NATOの目には、ロシアという敵がいる。NATOの役人たちは、あらゆる機会をつかまえて、「文明」世界にとっての脅威は南ではなく、キエフより東のどこかにある、と証明しようとしている。NATOはシリアに部隊を派遣し、「イスラム国」と本当の戦争を遂行することには消極的だ。第一、本当のところNATOの戦略的同盟相手であるような「敵」なるものと、どうやって戦えばいいというのだ?-ウラジーミル・レペヒン氏は自問自答する。
こうした次第でNATOのウクライナにおける活動がここ何週間か急激に活発化しているのだ。キエフの臨時政府は本能的に感じ取っている。EUの役人らにとっては、とうの昔から、ルソフォビア(ロシア嫌い)こそが最重要の価値観になっているのだ、と。ウクライナとしては、これを利用しない手はない。ルソフォビアにおいて西欧に優越し、どんなに疑わしい場合でも主人に絶対的に奉仕するとの心構えを示し、そして懇願し、懇願し、懇願することが、ウクライナには必要なのである。

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このような陋劣な方法で、キエフ政権は欧州に這い込もうとしているのである。EUがだめなら、NATOに。侵入するには潤滑油が要る。潤滑油の役を果たしうるのは、欧州存続にとっての脅威だけである。脅威はどこからくるか?もちろんロシアから!ここにおいてNATOとキエフの利害関係は素晴らしく一致するのだ。

ウクライナのポロシェンコ大統領はNATO事務総長の訪問を最大限に利用しようとした。ストルテンベルグ氏との懇談の際、ポロシェンコ大統領は記者団に対し、キエフがクリミアを取り戻すためにはクリミアを包囲することが有効だ、と語った。そして再度、あけすけに、ドンバスにはロシア軍が駐留している、と述べた。ポロシェンコ大統領の目的は、人々が真実を知りたいと願うポイントに、偽りの言葉で煙幕をめぐらせることだ。
本当のことを言えば、キエフ政権は血に飢えている。ミンスク合意を遵守する必要性に縛られて、血をあさりに行けないでいるのも今のところのことに過ぎない。状況が変われば、地方選挙後すぐにでもキエフはドンバスに攻め入るかも知れない。

MIA「ロシア・セヴォードニャ」の専門家、ウラジーミル・レペヒン氏は、しめくくりの言葉として、次のように語っている。実はNATOと「イスラム国」、ウクライナのウルトラナショナリズムは、3つの頭をもつ、血に飢えたモンスターなのだ。NATOは東に拡大する。そしていずれの方向にも拡大する。拡大はNATOに組み込まれたプログラムなのだ。同じ理由で、「イスラム国」は「正しくない者」どもとの戦争を、最後の一兵に至るまで戦い抜く。同じ理由で、キエフ政権はドンバス問題を再び力で解決しようとする。

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