以前外相を務めた経験を持つパン国連事務総長は、何度もそれを否定しているものの、次の大統領選挙に与党候補として出馬する可能性があるとしばしば取りざたされている。そのため韓国の多くの分析専門家らは、ニューヨークで行われる一連の会合を「現大統領」と「次期大統領」の顔合わせだとみなしている。
特に政治学者らの注意を集めたのは「一連の公式及び非公式会談が行われる」との事実を、韓国大統領行政府が特別強調していない事だ。
与党のハイレベルの代表は、新聞インタビューの中で「もし野党新政治民主連合の候補者の座がまだ空席なのであれば、与党セヌリ党は、国民的信頼を集めるパン氏を候補者としないわけにはいかないだろう」と述べた。
とはいえ、この見解は根拠のないものではない。最近の世論調査によれば、パン氏は「最も信頼される大統領候補」リストの№1に名前が挙がっている。パン氏に対する支持率は27,6%で、最大のライバルとみなされる与党セヌリ党のキム・ムソン氏の13,7%、ソウル市長でしばしば野党候補として名前が上がるキム・ウォンソン氏の13,3%、前回の選挙でパク・クネ大統領の対抗馬となった最大野党・新政治民主連合ムン・ジェイン代表の8,2%を大きく上回っている。
そうした中、与党セヌリ党内部での、パン事務総長に対する態度は様々だ。パク現大統領派は、パン氏を自分達のグループの候補者の1人と真剣にみなしているが、現大統領に反対するグループは、そうした考えについて極めて慎重だ。
例えば9月21日、大統領選挙を前にセヌリ党の改革を訴えるチュンアン(中央)大学のイ・サンドン名誉教授は、あるラジオ放送の中で「パク大統領は、恐らく、パン・ギムン氏を2017年の大統領選の候補者とみなしているようだが、反対派は、一定の接触レベルを維持するだろう」と述べている。
しかしパク大統領派の議員の1人は、大統領は米国に、パン・ギムン氏に次期大統領選挙に出馬してほしいとか、後継者になってほしいと頼むために行くのだといった解釈について、これを斥け「そうした予想はかなり奇妙だ」と否定した。