ロシア人専門家「TPPは日本経済にショックとチャンスを与える」

© REUTERS / Issei Katoロシア人専門家「TPPは日本経済にショックとチャンスを与える」
ロシア人専門家「TPPは日本経済にショックとチャンスを与える」 - Sputnik 日本
今日7日、安倍首相が行った内閣改造では、林氏に代わり森山裕氏が新しい農林水産大臣に選ばれた。こうした人事も、日本がTPP(環太平洋パートナーシップ協定)に調印した事と関係がある可能性がある。

日本は自国の農業をTPP加盟による影響から守れるか? - Sputnik 日本
日本は自国の農業をTPP加盟による影響から守れるか?
TPPへの参加は、日本に何をもたらすかについて、ラジオ・スプートニク記者は、著名な東洋学者でモスクワ国際関係大学で教鞭をとるドミトリイ・ストレリツォフ教授に、意見を聞いた―

「TPP協定への合意は、日米同盟こそ鍵を握る重要なものと位置付ける安倍首相の路線の論理的帰結だ。つまりTPPの地政学的意義は極めて重要だという事だ。日本は、並行して、包括的な地域の経済的パートナーシップや日中韓の経済同盟のような協力フォーマットにそっても、交渉を行ってきた。しかしTPPに真っ先に調印がなされた。このTPPにとってカギを握るのは、まさに日米の合意であり、その枠内での、日米間のあらゆる矛盾の一掃である。TPPは、日本に、アジア太平洋地域での日本の政策実現に対する一定の確信を与え、この地域において、経済面のみならず政治面でも重要な同盟諸国とのネットワーク関係発展に刺激を与えるものだ。」

次にラジオ・スプートニク記者は、ストレリツォフ教授に「TPP合意達成を可能にした日米の歩み寄りの本質はどこにあったのか?」と聞いてみた―

「ウォール・ストリートと大手企業は再び勝った」:TTP大筋合意への反応 - Sputnik 日本
「ウォール・ストリートと大手企業は再び勝った」:TPP大筋合意への反応
「ここで肝心なのは、関税政策の、かなりデリケートな諸問題だ。日本にとって合意への参加を妨げる鍵となる障害は、農作物に対する関税問題だ。そこでなぜ歩み寄りが達成できたかというと、日本が一連の品目で譲歩したからだ。しかしその代償として、例えば、日本は、ニュージーランドとの間で、油の輸入割当量を導入する事で合意した。同様の合意が、豚肉あるいは牛肉に関し結ばれた。日本車の対米輸出でも、問題があった。そこには、安い日本車が米国市場に入ってこないように望む自動車メーカーのロビーの強い意向が反映している。しかしTPP合意に向けられたオバマ大統領の政治的意志により、そうしたロビーの抵抗を克服する事が出来、日本との合意が締結された。」

最後にラジオ・スプートニク記者は「TPP合意を現実のものとしてゆくうえで、日本にはどんな問題が生じる可能性があるか?」との質問をストレリツォフ教授にぶつけてみた―

「日本にとって、商品市場、さらには労働・移民市場やサービス市場を完全に開く事は、言うまでもなく、抜本的でラジカルな措置であり、日本経済にとってショック療法のようなものだ。少なくともいくつかの分野、例えば、保険サービスや金融、医療サービスといった分野にとってはそうだ。薬品の輸入も、日本にとって大変病んだ問題と言える。なぜなら、日本には、薬品承認において大変厄介なシステムが存在するからだ。多くの人達は、日本の市場に、日本のものより良い条件を示す西側の年金フォンドあるいは保険会社が入り込むことを恐れている。

TPP実現で文明間の軍事衝突に発展する恐れ - Sputnik 日本
TPP実現で文明間の軍事衝突に発展する恐れ
もちろんTPPへの加盟は、閉鎖され過剰に規制された日本経済に打撃をもたらすだろうが、かなり病んでいる経済の構造改革の実現化を余儀なくさせ、多くの日本企業の利益に打撃を与えると思う。ただ、この事は抵抗を呼び起こしている。 長期にわたる辛い立て直しの段階、TPPの諸条件への適応の段階が続く可能性がある。しかし、私が知っている限り、TPP合意のあらゆるそうした項目は、すぐに効力を発するのではなく、移行期間が規定されている。おまけにそれは、農作物に対する関税に対してもそうだ。特に日本は、肉の輸入関税を38%から9%に下げなければならないが、すぐにではなく数年かけて行う事になっている。こうした変更は、日本経済にとって、試練であり挑戦でばかりでなく、チャンスでもある。『アベノミクス』は空回りし、自分の限界に達してしまい、一定の景気後退が起きている。恐らく日本のTPPへの参加は、構造改革に新たな刺激を与え、日本経済が新たな発展のダイナミズムを手にするチャンスとなるだろう。」

2000年代初め、当時の小泉首相によって、構造改革の最初の取り組みがなされたが、徹底されなかった。日本人にはショック療法へ向けた用意ができていなかったのだ。今回はどうなるだろうか、注意して見守りたい。

ニュース一覧
0
コメント投稿には、
ログインまたは新規登録が必要です
loader
チャットで返信
Заголовок открываемого материала