「TPP協定への合意は、日米同盟こそ鍵を握る重要なものと位置付ける安倍首相の路線の論理的帰結だ。つまりTPPの地政学的意義は極めて重要だという事だ。日本は、並行して、包括的な地域の経済的パートナーシップや日中韓の経済同盟のような協力フォーマットにそっても、交渉を行ってきた。しかしTPPに真っ先に調印がなされた。このTPPにとってカギを握るのは、まさに日米の合意であり、その枠内での、日米間のあらゆる矛盾の一掃である。TPPは、日本に、アジア太平洋地域での日本の政策実現に対する一定の確信を与え、この地域において、経済面のみならず政治面でも重要な同盟諸国とのネットワーク関係発展に刺激を与えるものだ。」
次にラジオ・スプートニク記者は、ストレリツォフ教授に「TPP合意達成を可能にした日米の歩み寄りの本質はどこにあったのか?」と聞いてみた―
最後にラジオ・スプートニク記者は「TPP合意を現実のものとしてゆくうえで、日本にはどんな問題が生じる可能性があるか?」との質問をストレリツォフ教授にぶつけてみた―
「日本にとって、商品市場、さらには労働・移民市場やサービス市場を完全に開く事は、言うまでもなく、抜本的でラジカルな措置であり、日本経済にとってショック療法のようなものだ。少なくともいくつかの分野、例えば、保険サービスや金融、医療サービスといった分野にとってはそうだ。薬品の輸入も、日本にとって大変病んだ問題と言える。なぜなら、日本には、薬品承認において大変厄介なシステムが存在するからだ。多くの人達は、日本の市場に、日本のものより良い条件を示す西側の年金フォンドあるいは保険会社が入り込むことを恐れている。
2000年代初め、当時の小泉首相によって、構造改革の最初の取り組みがなされたが、徹底されなかった。日本人にはショック療法へ向けた用意ができていなかったのだ。今回はどうなるだろうか、注意して見守りたい。