イワノフ主任研究員の見解を以下、御紹介したい。
「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、現在これまでなかったほど、国際的孤立からの脱出を必要としている。数々の証拠から判断して、北朝鮮国内では、経済改革が活発化しつつあり、事実上、上からの部分的な資本主義化が進んでいる。それゆえ、この国は、国際的な交流の拡大を必要としている。
北朝鮮に対する米国の制裁を解く条件として、現在示されているのは、北朝鮮当局が、その核開発プログラムを完全に廃棄することだ。16日(金曜日)、ホワイトハウスで開かれたオバマ大統領と韓国のパク・クネ大統領の会談を総括して採択された声明の中では、米韓両政府は、北朝鮮が核保有国になることに決して合意しないと述べられている。これに関し、ロシアもそうである事を、ここで指摘しておきたい。
これは、北朝鮮を核拡散防止条約の枠組みに戻す絶好のチャンスだった。しかし、それぞれの段階で、交渉でやっと何らかの合意ができても、米国は、新たな非難を展開し、新たな要求を突きつけた。そうしたことは、合意しようとの北朝鮮の意欲をそいでしまった。北朝鮮当局に、米国に誠意あるゲームを期待するのは無理だとの理解が生じたのだ。そして数度の核実験が実施された。一回目の核実験後、韓国外務省の高官は、こうした危機を挑発した『北朝鮮に濃縮ウラン・プログラムがある』という非難には、いかなる直接的な証拠も、米国にはなかったと認めた。何のために、当時彼らは、国際的孤立から北朝鮮を抜け出させるプロセスを台無しにしたのだろうか?
これについて中国の専門家らは、米国政府は単に、北朝鮮と韓国。そして欧州との関係正常化、そして朝鮮半島の状況改善が進むのを許すことができなかったからだ、説明している。それらが事実上、米国を除外して、米国のコントロールを離れて行われていたからだ。