辺野古埋め立て承認取り消しは県民の誇り、政府の対抗策は姑息な手段

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米軍普天間基地移設・新基地建設をめぐり、沖縄県の翁長知事は13日、前仲井真知事が承認した辺野古の埋め立てについて、正式に取り消しを表明した。県は、沖縄防衛局に取り消しの通知を伝達した。昨年11月、翁長氏は保守・革新を超えた層に支持され、3選を目指した辺野古移設推進派の仲井真氏を破ってオール沖縄で当選し、知事に就任している。当選から約1年間の間、埋め立てを取り消しできなかった理由について、沖縄県選出の赤嶺政賢(あかみね・せいけん)衆議院議員にお話を伺った。赤嶺議員は少年時代をアメリカ軍基地の隣で過ごした経験をもつ。

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赤嶺議員「今回の辺野古の埋め立て承認取り消しは、おととし12月、当時の仲井真県知事が埋め立てを承認した行政手続きに瑕疵(かし)があったことに端を発しています。沖縄県民も取り消しを今か今かと待っていました。今回の英断に、みんな勇気をもらったと思います。これからも翁長知事を支え、日本政府のあらゆる対抗措置に抵抗していこうという気持ちを固めているところです。埋め立て承認の撤回そのものは、翁長知事の当選直後でも可能な行政手続きでしたが、翁長知事は前仲井真知事の手続きの全ての経過についてあらためて検証する必要があると判断し、第三者委員会を設置しました。その第三者委員会で検証報告も出してもらいました。その報告書の中で、前知事の手続きに瑕疵あり、という結論が出ました。

その直後に埋め立て承認取り消しを予定していましたが、政府の方から「1か月間だけ待ってほしい。その間に日本政府と沖縄県とで話し合いを行いたい」という申し入れがありました。この申し入れを翁長知事は断りませんでした。沖縄の立場を理解してもらえるように安部首相や菅官房長官、中谷防衛大臣らと話し合いを続けてきたわけです。しかし結局この話し合いも、単に手続きを遅らせるというためのものであって、政府は沖縄の声に全く耳をかたむけようとしませんでした。これらの協議後、知事は埋め立て承認取り消しを表明し、それを実行に移すのに必要な手続きを踏み、今回の取り消しに至ったわけです。

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沖縄県が一方的に埋め立て承認を取り消しても、相手は政府、しかも安部内閣のやることですから、どんな対抗措置をとってくるかわかりません。「どんな対抗措置をとられても大丈夫」だというような手堅い検証をおこなった結果、今回の取り消しに至ったわけです。

さっそく政府は行政不服審査法に基づいて、この埋め立て取り消しの撤回を求める不服審査請求を国土交通省に申し立てました。でも沖縄県が行った検証結果が公正であったかどうかを審査するのが、安部内閣の一員である国土交通省であるというのは筋の通らない話です。行政不服審査法というのは、国家や政府が異議申し立てに使う法律ではなくて、国民の権利を守るための法律です。2年前、前仲井真知事が政府からの3000億円の沖縄振興策と引き換えに埋め立てを承認したあのやり方に、県民は非常に屈辱を感じていました。誇りを取り戻すため、この1年以上頑張ってきたのです。辺野古の海の埋め立ては、沖縄が永久に基地の島として固定化されることを意味します。また、豊かな辺野古の自然の保全が不可能になります。この2つを大きな理由として今回取り消したわけです。このことを大変誇りに思っています。

あらゆる卑劣な手段を使って、政府は工事再開を試みるでしょうが、沖縄の人たちはそれに対抗して辺野古のゲート前や海上での大規模な抗議行動を繰り広げています。これは沖縄だけでなく日本国民全体の問題です。国民全体が辺野古への新基地建設は許さないという世論を示さねばなりません。その世論でもって安部内閣を包囲し、工事を止めたいという決意です。」

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