リチャードソン海軍大将は、ヴェネツィアで米海軍の高級将校を前に演説し「ロシア海軍の戦闘的活動性が、この10年見られなかったほどのレベルまで高まった。戦闘準備レベルが増している」と指摘した。
リチャードソン海軍大将は、さらに次のように述べている―
「ロシアの脅威や移民問題、情報システムの発達に関連して、多くのものが変化した。それゆえ、おそらくNATOの海洋戦略見直しの時が来たと思われる。我々が直面する相した総合的諸問題を背景に、戦略がしかるべきものかどうか、考える時が来たのだ。
NATOとEUは、自分達の行動の調整を強化する必要がある。両者は、これまでも一定のレベルでその行動を調整してきたが、一連の欧州の外交専門家の観点から見れば、政治的な意見の食い違いが原因で、本当の意味での密接な協力はない。」
また新聞WSJは「ロシアが、この夏に自らの海洋ドクトリンを変更したのに対し、NATOは2011年から海洋戦略に、いかなる変更も加えていない」事に注意を促した。
米国の将軍達やNATOの代表らは、すでに何度も、ロシアの脅威を口にしてきた。一方ロシア政府は「自分達の行動は、NATO及び米国の側からの脅威に対するリアクションに過ぎない」と再三指摘している。