モスクワで第17回国際ノンフィクション文学展Non/fictionがオープン

© Sputnik / Anna Oralova第17回国際ノンフィクション文学展
第17回国際ノンフィクション文学展 - Sputnik 日本
サイン
25日、モスクワで第17回国際ノンフィクション文学展Non/fictionがオープンした。今年はロシア、スペイン、フランス、ドイツ、フィンランド、ウクライナ、日本など25か国から274の出版社が参加している。特別ゲストはスペイン語で、国でなく言語が特別ゲストに選ばれるのは同展史上初。同展には散文、詩、漫画、映画脚本など様々なジャンルのスペイン語作家19人が駆け付けた。

Non/fictionは毎年、Short List(短いリスト)というものを発表している。今年ロシア語で出版された大人向け・子供向けの本の中から選ばれた、最良の作品を列挙したものだ。その作成にあたるのはNon/fiction展の専門家評議会メンバーら。このメンバーらが出版社が提案する本3冊の中から1冊を選ぶ。

展示会の意義について、Non/fiction展専門家評議会メンバー、イリーナ・プロハロワ氏は、記者会見で次のように述べた。

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「17年前、Non/fiction展は、文化的な製品、ノンフィクション文学を出版している独立系の出版社を支援するために創設された。1998年に、危機の最中に同展がオープンしたことは感動的なことだ。私は出版人として、すでに4度目の経済危機にあっている。そんな中で各出版社は信じられない機知を発揮し、あらゆる困難にもかかわらずサバイバルしている。そのことを指摘する必要がある。社会の中で、また政治的決定をとる人々の中で、他ならぬ小さな出版社の中でこそ、ふつう、新しい著者、新しいアイデア、トレンドが生まれ、それがのちに大手の出版社に広がっていくのだ、ということへの理解が生まれてくれることが、私には根本的に重要なのだ。書籍の世界はそれ以外の形では回らない。中小の独立系出版社がなくなり始めるやいなや、書籍の世界で停滞が始まる。これは古くからある法則だ。

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だから、私が思うに、こういう書籍展の存在は必要だ。私はロシアで2015年が文学年、読書の年に定められていることを非常にうれしく思っている。しかし、書籍市場を支援するためのしかるべき措置がとられねばならない。書籍市場は石油その他の市場とは別物だ。この展示会が発展し、出版社たちの利益を推進してくれることを期待したいと思う。私には出版社こそわが国の誇りであるというふうに思われる」

NON/fiction展は29日まで続く。展示会の枠内でおよそ400のイベントが開かれる。本のプレゼンテーションや、著名な作家との交流会、子供のためのマスタークラスなどなどだ。開会日の25日には2015年の芥川賞を受賞した小野正嗣氏のセミナーも開かれた。セミナーの中で小野氏は受賞作の「九年前の祈り」の一節を朗読した。同氏の作品はすでにベトナム語、朝鮮語、英語で出版されている。

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