日本が南スーダン駐留を続ける理由について、モスクワ国立国際関係大学のドミトリイ・ストレリツォフ氏は政治大国かつ国連安保理の常任理事国の役割を狙う意図と関連があるとして、次のように語った。
この観点からアフリカ大陸は日本の平和維持活動強化のためには手ごろな出発点となりえる。それは日本が平和と安全保障を保証する好印象を植えつけることで、この地域の一連の諸国の支持を得られることにつながるからだ。
それと劣らず重要なのは、南スーダンでの海賊対策も国際テロ対策も作戦参加国間の政治的な意見の相違を招くものではない点だ。まさにこの場所で戦後のこの間で初めて日本の軍事基地が建てられたのも偶然ではない。こうして現時点でのアフリカにおける自衛隊活動の拡大は政治的な配当を得る上で最も簡単な方法となっている。それはこのことによって日本と他の国々との関係は一切複雑化しないからだ。」
ストレリツォフ氏は、日本が南スーダンでの活動を活発化させたのにはさらにもうひとつ理由があると睨んでいる。ストレリツォフ氏の見方では、それは中国が南スーダンももちろん含んだアフリカにおける投資拡大の枠内で民間および軍事の定員拡大に力を入れだしたことに日本が憂慮の念を抱いているからだ。
南スーダンでの日本のイニシアチブに日本の主たる政治軍事連合国、米国はどういった態度を示すだろうか、という「スプートニク」からの問いにストレリツォフ氏は次のように答えた。
「この問いは懇談メカニズムの枠内で米国から相応の承認を得るだろうと思う。米国にはもちろん日本が反戦的な制限を離れ、全面的な軍事連合国となり、アジア太平洋地域のみならず、全世界での軍事作戦において当てに出来る存在となってくれるほうがいい。」
だがストレリツォフ氏は、南スーダンで日本は自衛隊改革に関連した自国の関心も追及するだろうとして、さらに次のように語っている。
「南スーダンでのテロ対策作戦は自衛隊にとってはおそらく、一切の国際政治的出費を排したかたちで新たな軍事的可能性を試すことのできる最も簡素な方法となると思う。特に現地には自前の軍事基地があるからだ。こうしたアプローチは平和主義憲法の遺産から日本が遠のき、新たな価値へと移行することをシンボライズしていると捉えることができる。自衛隊が外国の領内で見事に行動してくれることは日本政府にとって、反戦的な気運をもつ大衆を変える上でも、完全な憲法改革を支持するような世論形成を行なう上でも必要なのだ。」