ロシア極東発展省のセルゲイ・カチャエフ次官は12月14日、メドヴェージェフ首相の中国訪問が開始されると同時に「ロシアの新東方政策」と題されたタスでの記者会見にのぞみ、「我々はアジアのパートナーらに対し、なによりもまず、我々の中国のパートナーらに対し、他のアジア太平洋諸国と競争できるような投資環境を提案しなければならない。これが今我々が抱える主たる課題だ」と語った。
「 我々に必要なのは資本、投資、技術、そして何よりもまずアジア太平洋諸国の巨大なマーケットだ。極東の国内市場は非常に規模が小さい。このため、我々は極東では輸出にターゲットを絞った生産の拡大に尽力を集中している。
中国はロシアにとっては最も近い隣国であり、中国を抜きにして極東開発を行なうのはあまりにも困難だろう。中国との間にこうした連携の経験をロシアは有している。TORはアムール州、ヤクーチヤにすでにあり、中国企業は生産を開始しつつある。アムール州ではセメント工場、石油加工工場が、またヤクーチヤでは建材生産工場が作られている。これらはTORの最初のレジデントにすぎない。現在、我々は中国企業との間に極東への生産のローカリゼーションに関する一連の交渉を行なっている。」
「我々はこうした縮小、低下を憂慮している。原因の中にはもちろん、石油ガス価格の低下がある。だが我々は両国の経済協力の刷新を考えるときに差し掛かっているのではないだろうか? 今、新しい時代、新しい条件が始まっているのだ。このため新たな条件で両国の貿易経済関係の刷新を考えねばならない。私が言おうとしているのは、出来上がった商品を売り買いする従来の形からハイテクのインフラ・プロジェクトの発展へと移行しようということだ。まさにこれにこそ、現状況を脱却するための鍵があると私は思う。」
興味深いことに、露中間の貿易取引量は低下しているにもかかわらずロシア製のハイテク製品の輸出はにまさに2015年中国に占めるパーセンテージを5倍も増やしている。2015年まではこの数値は1%台を上下していた。投資協力については、今日ロシアに蓄積された中国投資のレベルはおよそ80億ドルで、中国におけるロシアの投資額は10億ドル弱となっている。