ロシア人専門家、韓国製戦車「ブラックパンサー」は政治が経済に勝利した例

© AFP 2023 / JUNG YEON-JEロシア人専門家、韓国製戦車「ブラックパンサー」は政治が経済に勝利した例
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韓国国防省は自国の戦車K-2「ブラックパンサー」が川を渡る演習シーンを初めて公開した。この「ブラックパンサー」は開発の段階ですでに世界一高価な戦車として知られていた。ロシア人軍事専門家のヴァシーリー・カーシン氏はこの戦車についてのラジオ「スプートニク」からの質問に対し、朝鮮半島の複雑な状況が原因で韓国は軍備ポテンシャルを積極的に拡大せざるを得ないことを認める一方で、多くの開発は経済的に理にかなっていないとコメントしている。

韓国の、特にK-2のような自前の戦車を製造するプロジェクトは経済的な意味は一切もっておらず、中期的未来の軍事的安全保障という意味では韓国はほぼ得るものはない。だがこれは政治と戦略の観点からすると重要だ。

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日本をはじめとする東アジアの他の大国と同様、韓国は軍産分野で完全な独立を果たすため、巨額の財政的犠牲を払う道に一歩を踏み出そうとしている。その背後に隠されているのはアジアに今存在する国際関係システが永く続き、そして米国がこの先も安全保障の役割を果たし続けることへの懐疑感だ。

韓国初の戦車K-2は、その初期の型は1999年の段階ですでに軍備に加えられている。それが米国のジェネラル・ダイナミック・ランド・システム社が決定的に参画し、エンジン(初めは米国製、後に独製)から火器の操縦システムの主要要素まにいたるまで、多数の輸入設備を使って開発されていた。

K-2に求められたのは一連の戦車技術の性能のほかに韓国(斗山ドサンインフラコア)のディーゼルエンジンとS&Tコーポレーションのトランスミッションを使うことだった。これが戦車製造の作業を遅らせ、値段のつり上げを招き、その結果、K-2は1台850万ドルと世界一高価な戦車となってしまったのだ。

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韓国は本来ならば自国戦車製造プログラムに費やした資金のほんのわずかな部分でレオパードやアブラムスといった戦車の必要なクオリティーを手に入れることができるはずだ。しかもNATO諸国には戦車があまっているのだから。こうしたマシーンは北朝鮮の戦車をらくらく凌駕し、韓国のK-2にそんなに劣るものではないはずだ。開発をかさねた設計のおかげでこれらの戦車はより信頼性が高く、使用する上でシンプルで安くつくに違いない。

K-2は、北朝鮮の戦車に対抗している。北朝鮮の戦車といえば、そのほとんどがソ連製の旧型戦車で構成されているか、もしくは新たな北朝鮮の開発とされるものでお、ソ連の戦車T-62を「急進的に刷新しようとしたもの」となっている。韓国はだがさらに遠い将来を考えれば、選択はそんなに明確にはならない。国際関係は急速に増す不安定、不透明感に左右される。今ある連合国のシステムや、それとともに欧州西部、米国からの武器供給へのアクセスが永遠に維持されるかどうか、確信はもてない。このため、輸入が現行の問題を理想的に解決してくれているとしても、日本、韓国、台湾を含む米国連合国は自国の軍産にますます多額の資金を投じているのだ。

韓国はロシアの助けを借りての自国の対空防衛、独の力を借りた潜水艦、米国の力を借りた軍用機、戦車など、自前の兵器製造の分野であまりに大きな努力を払っている。韓国は国際武器市場へは、重要な輸出国としてこれにすでにへの仲間入りをすでに果たしているが、これだけの開発投資を輸出だけで回収するのは不可能だ。これには自国の独立、長期の安全保障がかかっているからだ。

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