中国、TPP合意を危険視しない

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中国商務省の高虎城(ガオ・フチェン)大臣は23日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)合意は中国に対抗するものとは捉えていないとする声明を表した。高商務相は、中国は自由貿易圏の地域合意に対して、一貫して肯定的な態度を示してきたと強調している。

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今日、アジア太平洋地域では2国間の自由貿易圏が形成されているばかりではない。よりレベルが高く、太平洋地域の枠を超える統合体も誕生しようとしている。たとえばTPPには世界経済の40%および国際貿易の3分の1が参加している。中国はTPPの圏内には入っていないが、高商務相の弁では、中国は米国主導のプロジェクトに普通に接しており、それが自国に対抗したものとは受け止めていない。

だが専門家らの間では中国自身はアジア太平洋地域の統合プロセスにより積極的な参加を行っているという指摘が挙げられている。これは東アジア地域包括的経済連携の創設も、シルクロード経済ベルト、アジアインフラ投資銀行など、こうしたメカニズムの拡大もそうだ。

東アジア地域包括的経済連携は10+6、つまりASEAN加盟国10カ国のほかにさらに6カ国を足すという公式に基づいて発展している。これはASEAN+3のフォーマットの3カ国、つまり中国、日本、韓国にインド、豪州、ニュージーランドを加えたかたちだ。中国は今のところ米国の発案に真っ向から対立する計画ではないものの、アジア太平洋地域の統合プロジェクトが拡大するにつれ、米中のライバル関係は過熱して行くだろうと思われる。

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中国現代国際関係アカデミー、世界経済研究所の陈凤英(チェン・フェニン)所長は、統合拡大にむけた様々なアプローチがぶつかり合うことは避け難いとして、次のような見解を表している。

「TPPという経済プロジェクトが米国によって推し進められたのは、中国が東アジア地域包括的経済連携を作る前のことだ。だからTPPが中国に対抗したものというのは正しくない。TPPはアジアだけに集中したものではないが、その規則はアジアの競争に影響する。2つのプロジェクトの間には間違いなくライバル関係が存在するが、それでもTPPが特定の組織ないしは国家に対抗して作られたものというのは正しくない。」

中国内外のアナリストらの見解では、現段階では、東アジア地域包括的経済連携とTPPはパラレルに存在する事が可能だ。それらの非公式的リーダーである米中が現在、地域の経済協力で本質的な役割を演じている というのがその理由だ。今のところアジア太平洋地域では、統合プロセスの掘り下げ作業は初期段階にあり、米中ともしばらくのうちは地域の貿易投資協力の規則作りに自国なりの貢献を行なおうとするだろう。だが将来的にはこれは米中間の競争激化へとつながる可能性がある。なぜなら米国は中国が首位を占めることを断じて許さないからだ。経済の行方に自信を持っていることが中国の強みとなっている。とはいえ、現在の成長率の鈍化を背景に、中国としては自国のプロジェクトの優位性については、大々的に打ち出すよりはより穏やかなトーンで語るほうをよしとしている。

 

 

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