「コスモ・クールス」社は現在、再利用可能な準軌道打ち上げロケットと、再利用可能な準軌道宇宙機器からなる、再利用可能な準軌道宇宙複合システムを開発している。同システムには、宇宙旅行者6名とインストラクター1名が乗ることができる。宇宙旅行のチケット1枚の価格は20万ルーブルから25万ルーブル。なお外国の同業者も、ほぼ同様の価格を発表している。
「コスモ・クールス」社のパーヴェル・プーシキン最高責任者は、まだ宇宙旅行のチケットは販売されていないが、すでに9000枚のチケットが予約されていると述べ、次のように語っている-
「ロシアでは我々からチケットを購入しようとする人がたくさんいますが、私たちはまだ販売していません。法的、金銭的、技術的な様々な性格の問題があるからです。しかし私たちは旅行の開始時期を変更し、2020年には飛行を行う計画です。」
専門家たちは、今後5年の間に民間の宇宙旅行市場が誕生するのではないかと考えている。宇宙旅行分野のパイオニアとなったのは、スペースX社の設立者イーロン・マスク氏だ。スペースX社は、現在最も成功している米国の民間宇宙企業で、2012年から国際宇宙ステーション(ISS)に貨物を輸送している。また米国の「ブルーオリジン」社と英国の「ヴァージン・ギャラクティック」社も、宇宙船の試験飛行を行っている。「ヴァージン・ギャラクティック」社は、英国の大富豪リチャード・ブランソン氏が設立した会社で、宇宙旅行者用の準軌道宇宙船の製造に取り組んでいる。なお2014年、同社が開発した「スペースシップ・ツー」は、試験飛行中に墜落した。ブランソン氏は今年2月、「スペースシップ・ツー」の近代化されたバージョン「ユニティ」を発表した。この新たな宇宙船は、パイロット2名と宇宙旅行者6名を地球周辺軌道へ運ぶもので、旅行者たちは約3分間、無重力状態の中で過ごす。なお、「ヴァージン・ギャラクティック」社による最初の宇宙旅行が行われる時期は、まだ発表されていない。
ロシアのプロジェクト「コスモ・クールス」の投資家も大富豪だ。この人物は、ロシア人。この投資家の名は公表されていないが、フォーブス誌のロシア長者番付ランキングに入っており、ずいぶん前から宇宙に関心を抱いているという。