ホテル「ホリデイ・イン（Holiday Inn）」の支配人マクシム・ボルドフスキー氏は、次のように語っている‐
「中国、日本、イタリア、その他の国からたくさんの観光客が訪れています。それには理由があります。まずルーブルの価値が低下したことから、外国人観光客にとってロシア旅行はとてもメリットがあるからです。今ロシアでは、例えば欧州よりもすべてがはるかに安くなっています。商品もロシアで買った方がお得ですし、交通費もレストランでの食事もホテル代も安くなっています。２つ目に、東アジア諸国の観光客は最近、世界中を旅行することが多くなり、彼らのお陰で多くの面で増加が見られています。東アジア諸国の観光客にとって、ロシアは興味深い国であると同時に地理的にも便利なんです。」
ロシア政府観光局によると、２０１５年ロシアには外国から２０００万人以上の旅行者が訪れた。そのトップは中国、２位はドイツ、３位は米国、そしてイスラエル、英国、韓国、イタリア、スペインと続く。
一方で、市内観光や美術館、博物館、建築遺産、その他の名所の観光では、外国人旅行者が一般のロシア人の生活を知ることはできない。そこで「マーケット・プロファイル」社が、この問題の解決に乗り出した。同社のマリーナ・ポニデルコワ最高経営責任者は、次のように語っている―
「外国人観光客の需要に関するマーケティングリサーチを行った結果、私たちは、外国人観光客にモスクワに住む人たちの自宅訪問を提案することにしました。外国人観光客が訪れるのは、ごく普通の人たちが住む、ごく普通のアパートです。このような訪問は通常１時間３０分くらいで、私たちは少人数のグループで行くことをお勧めしています。なぜなら一般的な住宅は、大勢のお客さんを受け入れるには適していないからです。観光客たちは、家の中を見たり、家主と一緒にお茶やコーヒーを飲んだり、お話したりします。もちろん通訳が同行します。その他にも私たちは、それほど多くはないものの、ダーチャと呼ばれる、こちらも普通のロシア人が所有するモスクワ郊外のセカンドハウス訪問の需要もあることに気付きました。モスクワ郊外のダーチャへは、モスクワのアパートを訪れる時よりも大勢のグループでバスで出かけます。ダーチャは市内からそれほど遠くないモスクワ郊外にあり、そこで散歩をしたり、ダーチャの持ち主と交流したり、キノコやベリー類を採ったり、ロシア風バーベキューのシャシリクをしたりしながら、半日あるいは１日過ごすことができます。私たちは、外国人を喜んで自分の家へ受け入れる人たちと契約しています。これは完全に新しい観光市場です。私たちは、外国の観光客の皆さんに喜んでもらえることに期待しています。」
観光の詳細は、「マーケット・プロファイル」社のホームページで紹介されている。
なお「マーケット・プロファイル」社は、例えばロシア語を学ぶためにモスクワを訪れる留学生のためには、ホームステイ先を探すお手伝いもする。一般的には、おしゃべり好きな一人暮らしのおばあさんの家にお世話になることが多く、ロシア語とロシア人の生活に深く接する貴重な機会となる。
ロシア旅行を考えている方々には、最近テストモードで始動した国家観光ポータル「Russia.travel」がお役に立てるかもしれない。「Russia.travel」では、複数の言語でロシアの主な文化、自然、歴史的な観光名所やその他の観光スポットに関する情報が掲載される予定だ。
