日本の投資家たちの関心の高まりに寄与したのは、他でもない先行社会経済発展区(TOSER)における露日初のプロジェクトである温室施設が成功裏に実現したことだ。企画から販売までに要した期間は3年未満。投資プロジェクトとしては異例の速さだ。
在ハバロフスク日本領事館の山本広行総領事によると、「JGCエバーグリーン」社のプロジェクトの進捗状況を、極東にビジネスの面で関心を抱く日本企業が注意深く見守っているという。同プロジェクトの成功は、ハバロフスク地方や極東でビジネスを始めようとする日本企業に期待を与える。日揮グループ代表の重久吉弘氏は、日揮株式会社はこれで満足するつもりはないとの意向を示し、次のように語られた-(ロシア語からの翻訳)
「私は、ハバロフスク地方のヴャチェスラフ・シポルト知事からハバロフスクへ招かれました。シポルト知事とはサンクトペテルブルグ経済フォーラムで知り合いました。知事は私が投資計画を温めていることを知り、私にハバロフスク地方のカルトブランシュ(白紙委任状)を渡しました。その結果となったのが、現在の温室施設です。これは日本とロシアの専門家チームによる作業の結果です。一方で私は常に、その活動が企業にとってもロシアにとっても有益であろう他の協力分野もあると考えています。いま私たちは農業だけでなく、別の分野での協力の可能性も検討しています。医療分野での協力について検討するというアイデアが生まれ、我々はその方向で活動する予定です。」
「投資家は、ハバロフスク地方でメカニズムが機能しているのを見て、今、次のプロジェクトを検討する用意があります。すでに医療テーマを検討する専門家グループが訪れました。同地方には、医療サービスのハイテク分野があります。私たちは日本の専門家たちに、助産分野あるいは陽子線治療分野で作業することを提案しました。これは核医学であり、彼らの関心を惹きつけました。私たちは物事を急ぎません。小さなプロジェクトから初めて、その後、他のプロジェクトで活動します。」
日揮株式会社の主な事業には、革新的な農業技術の他にクリーンエネルギー、原油やガスの生産、石油精製や非鉄金属の加工、さらに製剤などがある。同社は、国内外で2万件以上のプロジェクトに携わってきた。日揮株式会社の経験は、ロシアでも必要とされるに違いない。