東京にあるロシア通商代表部のセルゲイ・エゴロフ首席代表によれば、食肉は2ヶ月で2倍に拡大。日本人が特に関心を払っているのはロシア産豚肉、鶏肉。これらの食肉は日本では飼料が値が張るため、それが価格に反映されてしまうが、ロシア産のものは原価が低いのが人気の理由。エゴロフ氏によれば現在、ロシア産牛肉、豚肉、ラム、鶏肉などの検疫証明書の合意作業が行われている。
「食肉産業」誌のアレクセイ・ゴルバトフ編集長はスプートニクからのインタビューに対し、ロシア産食肉および農産品の輸出の伸びを促したのは生産の全体量が増えたからだとして、次のように語っている。
「ロシアは2016年1月から4月までの間に食肉生産を79万2千トンにまで増やした。これは昨年同時期比で13.5%多い。こうした増加の背景には米国、EU諸国からの食糧輸入禁止の導入後、ロシア政権が農業に強力な支援を行ったことがある。仮にこうした成長速度がキープされたなら、ロシアは近いうちに深刻な食物過剰に直面してしまう。 とはいえ、輸出全体で見ると食肉の占める割合は現段階ではそう大きくはないが。それでも家畜の病気や輸入国の要求にあわせた体系的な保証といった主たる問題が解決されれば、将来、輸出は年間数十万トンに達する可能性がある。」
ゴルバトフ編集長の指摘では、食肉の大型輸出国というのは同時に輸入国でもある。これは肉の種類や製品の種類の専門化が進むためだ。その証拠に日本側もロシアへの神戸産霜降り和牛肉の輸出拡大に関心を示しており、2015年3月にロシア企業S.Meatによって兵庫県の3社からの輸入が開始されている。また2016年3月には在露日本大使館の田島浩志(たじま・ひろし)公使はロシア農業監督庁との交渉で、さらに日本の220社がロシア市場への食肉製品の輸出に手を挙げている事実を明らかにしている。
駐日ロシア通商代表部からの最新ニュースによれば、ロシアのビール「オチャコヴォ」も取引契約が締結され、日本向けテスト輸出も開始された。現在、日本市場に売られているロシア産ビールは「バルチカ」だが、そういえばアサヒ・スーパードライの生産が行われているのもロシアの「バルチカ」ビール工場だ。
それ以外にもロシア通商代表部エゴロフ首席代表によれば、露日間ではルーブル・円決済への移行が話し合われ始めた。この提案は昨2015年、ウラジオストクでの東方経済フォーラムに参加した日本側から提起された。同様のスキームはすでにロシアと中国、ベトナム間で実施されている。JBIC (国際協力銀行)もすでに最高で12種類の外貨オペレーションを行える権利を有している。