世界のマスメディアにはすでに、与党の「超大多数」が達成したことで安倍首相には軍事力の活発に使用を許す規定を日本憲法に加えやすくなるとの予測が現れている。安倍首相本人は、憲法改正について、「今後、憲法審査会できっちり議論」すると述べている。問題となっているのは主に本国憲法第9条だ。第九条は、日本は国際紛争を解決する手段としての戦争と武力の行使を放棄し、陸海空軍その他の戦力を保持しないと規定している。
憲法改正には国民投票が必要で、そのために与党ブロックは両院で3分の2の議席が必要だった。今までは、安倍首相にはそのような議席数はなかったが、今回の選挙により状況が変わった。憲法改正派は、アジア・太平洋地域での安全保障に関する状況の緊迫化を、憲法改正の根拠としている。
モスクワ国際関係大学の教授であり元駐日ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏は憲法の早急な見直しを待つ必要はないとの見解を示し、次のように語っている。
「現在、安倍首相に憲法改正のチャンスが現れた。しかし、憲法改正は国の大分裂を招くため、改正に進むことはないだろう。日本の国民の半分以上が憲法見直し、特に第九条の見直しに反対している。このような平和主義の雰囲気は考慮する必要がある。憲法改正という発想は新しいものではなく、安倍首相以前にも唱えられ、憲法改正の方法すら審議されていた。このプロセスは非常に複雑で、一義的ではない。そして、もしも安倍首相がこのプロセスに加わると、これは国内の抵抗運動だけでなく、周辺諸国からの反対運動を引き起こすだろう。その反対運動はおそらく、改正せずとも関係が緊張状態にある中国、そして韓国と北朝鮮から起こるだろう。日本との関係は今も十分に悪いが、憲法改正はネガティブな影響を加えるだろう。ロシアもおそらくは憲法改正に否定的な意見を述べるだろう。安倍首相は十分現実的に状況を評価しており、さらに改正は緊要ではないのだから、憲法改正には進まないと私は見ている。私の予想は次のようなものだ;憲法改正は、ゆっくりと一歩一歩行われていくだろうが、様々な解釈によって行われるだろう。日本国外でも一定の条件下で、自衛隊に同盟軍を守ることを許可する集団的自衛権のように様々な解釈で。だから、『明日にも』憲法改正が起こると待つ必要はないと考えている」
「日本は武力を持っている。しかし!日本は原子力潜水艦や巡洋艦、空母、爆撃機、長距離ミサイルといった攻撃兵器を有していない。しかし、上記の武器全てを持ったとしても、国防の大きな安定化につながることはないだろう。逆に、日本の地理的位置と人口過密の観点から、日本はさらに脆弱になった。ちなみに、まさにこの二つの要因が日本に核兵器を作るかいなかの審議において重要な論拠となっているのだ。」
全ての野党は憲法改正と日本の攻撃兵器製造を容認できないと主張している。この問題は2014年に、自衛隊に集団的自衛権を認めるという実に矛盾する法律が採択されたあとの議会で持ち上がった。しかし実際には、第九条にも日本の憲法全体にも1947年5月3日の憲法採択後、修正は一切行われていない。